尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2011年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

II. 天国の島 (佐藤博昭)

パート別ワンポイントアドバイス(コントラバス編/講師・小室昌広)

野崎和宏(解説内では、ボウイングの記号を、n→ダウン、v→アップで表記します。)

日本の風土を表現した曲なので、音の表現に工夫をして、島国ならではの湿度ある空気感が出せるとよいでしょう。 最初の部分ではクラベスに応えて音を出すので固く乾いた鋭く短い音がよいでしょう。

7小節に入るまでは、全てnで、クラベスの音と弓を弦に置くタイミングを揃えるとうまく音が出るでしょう。

[A] からのピッツィカートは記譜されている4分音符よりも、音が伸びても構わないでしょう。むしろバリトンサックスの音に良い影響を与えるでしょう。左手の押さえをしっかり。右手はしっかり弦に指をかけて、はじくスピードを遅くすると、柔らかく伸びがある音が出る力加減が見つかります。

[D] からは、少し軽快な伴奏になりますが、あまり軽はずみにすると、全体の曲想から離れてしまいます。重厚な伴奏にしてみると、雰囲気が出ると思います。弓を丁寧に動かしてみましょう。

[G] の3~5小節前のボウイングはn nvv がよいでしょう。最初のvで弓を使い過ぎないように。 67小節からの長いスラーは管楽器のフレーズを表現したものなので、ボウイングをスラー通りにはせず「そのように聴こえる」ように演奏します。67小節n、68小節v、69小節n、70小節v、71小節nvnvv、72小節nでよいでしょう。

[G] からのピッツィカートはティンパニの音色に似せて表現しましょう。音の勢い、残響の伸びなども観察して、真似てみましょう。

[ I ] のボウイングはn nvnvで。最初の4分音符を十分伸ばして、次の音を弾く直前に弾く位置を手元に戻します。コツは

  • 弓を弦の上で滑らせながら戻す。
  • ギリギリまで伸ばして筋肉が戻りたがる状態にする。ゴムは伸びきったほうが速く戻ります、これと似た状況をイメージしてみましょう。

の2点です。2小節目もこれに準じます。

[ J ] のボウイングは nvn vnv nv|nnvnv となります。2小節の最初の音は16分音符なので、戻すのは簡単です。しかしその速さは先程の[ I ] の場面と変わりません。両者を比較して練習するとよいでしょう。

16分音符を機敏な弓の動きで演奏するには、手首を柔らかく動かし、前腕を主に使うようにしましょう。肩や上腕を速く動かすのは限界があります。

【小室昌広プロフィール】
1989年、東京芸術大学卒業。1992年同大学大学院音楽研究科修士課程修了。コントラバスを加藤正幸、永島義男の各氏に師事。L.シュトライヒャー、F.ポシュタ、F.ペトラッキの指導も受ける。作・編曲、指揮も手掛け、その作品は東京交響楽団等で演奏されている。都内すべてのプロオーケストラでの経験をもち、東京ゾリスデンアンサンブル・オブ・トウキョウなどの室内楽団でも演奏する。草津、倉敷、宮崎などの各音楽祭に出演。東京芸術大学及び尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。