夢を奏でる。人を育てる。尚美ミュージックカレッジ専門学校

世界遺産の旅1 山地 真美(音楽総合アカデミー学科4年)

 クラフクは、ポーランド南部にある都市で、マウォポルスカ県の県都。ポーランドで最も歴史ある都市の一つであり、十七世紀初頭にワルシャワに遷都するまではクラクフがポーランド王国の首都で、ウィーンと双璧をなした中世の中欧最大の文化都市であった。日本でいう京都のような古都で、中世のヨーロッパにタイムスリップしたような赴きある街並みは、どのアングルからでもポストカードのような一枚がとれる。ヴィスワ川の上流に位置し、市街地はヴァヴェル城を中心としてヴィスワ川両岸に広がっている。

 クラクフはポーランド文化の中心地であるうえ第二次世界大戦であまり被害を受けなかったこともあり、世界遺産に登録されている。旧市街のなかでも、聖マリア教会や、旧王宮であるヴァヴェル城、織物会館などは有名で、観光客にも人気がある。築七百年程度のアパートが代々手入れされて現代でもそのままアパートとして使われていることがある。

 中央市場広場。1257年に造られたヨーロッパ最大規模の広場。周囲には旧市庁舎や聖マリア教会が並び、観光のハイライトとなっている。 織物会館の前に建てられている銅像は、ポーランドで最も偉大な詩人のひとりであるアダム・ミツキェヴィッチ像。

 聖マリア教会の内部、外観。内部に入ると、金色とミント系のロイヤルブルーの煌びやかな内装と厳かな雰囲気に圧倒される。後でみるヴァヴェル城での大聖堂もそうだが、この二色の色合いはとても上品で、美しい。黄金の冠を頂く高い塔からは毎正時にラッパの音が響き渡るのだとか。これは中世、タタール軍の襲撃に逢った際、ラッパ吹きが危険を周知させるためラッパを吹いている最中に矢で射殺されたという言い伝えがあることに由来しているヴァヴェル城の中庭。ガイドのグレゴリーさん曰く、中世の時代この中庭で騎士の決闘が行われ、人々は上からその様子をみていたんだとか。「騎士」とか「お城」とか、まるで映画のワンシーンに入ったような世界。

 大聖堂は、歴代の王の戴冠式や葬式が行われていた由緒ある寺院。金色の屋根のジグムント礼拝堂は、最も素晴らしいルネッサンス様式の建築物のひとつといわれている。今回内部に入ることは許可してもらえなかったが、外観からも見る人を圧倒するような存在感がある。  ワルシャワとはまた異なる様々な美しさのある古都クラフク。次にポーランドを訪れる際には、ゆっくりと街並みを散策しながら時間をすごしてみたい。

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