| 科目名 | 楽式研究Ⅰ |
|---|---|
| 担当講師名 | 徳備 康純 |
| 学科 | 音楽総合アカデミー学科 |
| コース | アレンジ・作曲コース |
| 専攻/楽器/グレード等 | |
| 年次 | 2年次 |
| 学期 | 春学期 |
| 授業の形態 | 演習 |
担当科目に関連する実務経歴
ヤマハ音楽振興会での20年あまりに及ぶ音楽スタッフ手としての勤務の後、作曲家として海外を含めて30年以上にわたって作品を発表し、全音をはじめとする出版社からも作品を発表している。
授業内容
古典モードから合成音階などの近代から現代に至る音階の使用方法を作品の分析から学び、更に4度構成の和声などから多調性、そしてバルトークの論理的な作曲法についてその基本的な考え方を学び、作品を試作してみる。
到達目標(この授業で何ができるようになるのか)
教会旋法などの使用法から、ペンタトニック、ヘキサトニックなどの技法、更に合成音階や移調の限られた旋法などの技法を理解し、それらによる作品の試作を行い、理解を深める。
授業計画
| 第1回 | ワーグナーのトリスタン和音から調性の拡大と崩壊と二十世紀を俯瞰する。 |
|---|---|
| 第2回 | 教会旋法などのダイアトニックからペンタトニック、ヘキサトニックなどの、技法の紹介。 |
| 第3回 | 各種モードの使用について、ドビュッシーの作品から学びます。 |
| 第4回 | モード技法におけるオスティナータ技法をオネゲルの夏の牧歌や芥川也寸志の作品の分析から学ぶ。 |
| 第5回 | 四度和声、あるいは多調性の技法をストラヴィンスキーの管弦楽作品の分析を通じて学ぶ。 |
| 第6回 | バルトークのルーマニア民俗舞曲の分析を通じて教会旋法からより民族的な旋法などの使用とハーモナイズについて学ぶ。 |
| 第7回 | 中心軸システム、フィボナッチの数列、黄金分割などの技法を、バルトークの作品の分析を通じて学ぶ。 |
| 中間試験評価方法・評価基準 | |
| モード技法による小品を試作し、そのスコアを提出する。モード技法が理解されているか、オスティナートや4度構成の和音などが理解出来ているかなどを、その作品の内容から判断し評価する。試験80%、出席点20%。 | |
| 第8回 | 新古典主義の発展と新しい音楽について、バロックの変奏曲形式を応用して作られた作品の分析を通してし、新しい響きを作り出したオネゲルの音楽を学ぶ。 |
| 第9回 | オリヴィエ・メシアンの7つの移調の限られた旋法について学び、その使用例を紹介します |
| 第10回 | メシアンの作品の分析を通じて、移調の限られた旋法、不可逆リズムなどの技法を紹介します。 |
| 第11回 | ミヨーの小交響曲第1番「春」とオネゲルの「ダヴィデ王」などの分析を行い、多調性について学びます。 |
| 第12回 | ダヴィデ王の行進曲をもとに、簡単な多調性音楽を試作します。 |
| 第13回 | 11, 13の和音について、その種類と作り方、使い方を学びます。 |
| 第14回 | ラヴェルの高雅で感傷的なワルツの分析を行い、モード技法と11, 13の和音の使用について学びます。 |
| 第15回 | 調性の崩壊へと繋がる、極端な半音階主義、11の和音や付加音の多用による調性感のあやうさを学びます。 |
| 期末試験評価方法・評価基準 | |
| 近代モードや多調性、中心軸システム、ポリコードなど授業でとりあげた技法のいずれかを使用して、作品を試作し、そのスコアを提出します。 これらの技法を理解して作品に応用する技術を身につけているかどうかを、作品のスコアを通して判断し、評価します。試験80%、出席点20%。 | |