2023年度シラバス

尚美ミュージックカレッジ専門学校

科目名ソルフェージュⅢ
担当講師名小笠原 貞宗
学科ミュージカル学科
コース
専攻楽器グレード等
年次2年次
学期春学期
授業の形態演習

担当科目に関連する実務経歴

武蔵野音大ピアノ科卒業後、約40年、演奏活動の他、ピアノ個人レッスン、ソルフェージュの指導を続けており、本校では10年以上、ソルフェージュの授業を担当しております。

授業内容

Ⅰ年次(ソルフェージュⅠ・Ⅱ)で習得した基礎は、常に再確認されなければなりません。特に「音程」「リズム」に関する聴音はどれほどレベルが進んでもゆるがせにはできません。そこでまず第1クォーターでは、楽典的な基礎の復習も兼ねながら、徹底的にブラッシュアップしていきます。第2クォーターでは、新曲視唱を再開し、必須の調判定、旋律背後の和音を想起する能力を養うことを大目標とします。

到達目標(この授業で何ができるようになるのか)

初見で見せられた楽譜を可能な限り正確に演奏する能力は、音楽の現場では殊の外、重視される能力です。なぜなら、素早い読譜と再現能力は現場では最も喜ばれるからです。その場ですぐ出来る人と、何日も練習しないと出来ない人とでは、仕事の生産性、効率性がまるで違ってくるからです。ここでは卒業後の仕事も視野に入れたプラクティカルな能力に焦点を合わせていきます。

授業計画

第1回完全1度から全ての音程(長短・完全・増減)をもれなく把握することを学びます。聴いてわかる、見て歌えるの両方からの能力が大切です。
第2回シンコペーション、タイ、3連符、休符等を含む正しい記譜法を学びます。昔から慣用的に使用される記譜法には必ず意味があります。そこを徹底して学ぶのです。
第3回なぜ固定ド唱法以外に、移動ド唱法も習得すべきなのかを学びます。一度や二度の練習では簡単に身に付かないのが移動ド唱法です。根気よく反復練習あるのみ。
第4回各自、苦手の調、調号を克服するために学びます。調性は色調に譬えられます。全ての調を自由に使いこなせれば、音楽の世界が広がります。
第5回長三和音、短三和音、増三和音、減三和音の成立と区別を再度学びます。和音にも色があります。耳を鋭敏にして違いが分かるようにしましょう。
第6回トニック、ドミナント、サブドミナントの組み合わせのカデンツ(終止形)を学びます。カデンツは西洋音楽の文法で、ここを制す人は音楽を制すのです。
第7回第1クォーターで学習した項目の総復習と小テストを実施します。日頃の努力の成果がはっきり出ますので、気を引き締めていきましょう。
中間試験評価方法・評価基準
第1クォーター期末試験では、全調の音階、調号、音名が淀みなく使用できるかどうかを一人づつチェックします。日頃のトレーニングの在り方が問われる小テストになります。何の苦もなく、完璧にできるようにしておきましょう。そのレベルに到達して初めてプロとして使い物になります。
期末試験50% 出席30% 五線譜ノート20%
第8回今までの実力で歌える易しい範囲の新曲からスタートします。初心に帰って、音程、リズム、出来ればフレーズ感も意識して歌いましょう。
第9回調性、リズム、音程のさらに難しい新曲に挑戦します。常に難易度の高い課題に立ち向かう気概を持ちましょう。怯んではいけません。
第10回最も難しい音程、リズムを含む課題に挑戦します。出来なくても当たって砕けろです。砕けても砕けても、何度も再挑戦していきましょう。
第11回終止形(カデンツ)の重要性を再度、学びます。カデンツの重要性はいくら強調しても足りません。よく腑に落とし込んでもらいます。
第12回和声音、非和声音の区別をメロディの音から学びます。旋律が和声音のみで成り立っていたら変化に乏しいのです。非和声音にこそ音楽的意味が宿ります。
第13回借用和音の見つけ方、使い方を学びます。近親調から旋律や和音を借りてくることで、音楽に変化と活気が生まれます。
第14回歌いながら、同時に伴奏部にある背景の和音を感じながら歌うことを学びます。和音と旋律の一体感を体得してください。
第15回春学期で学んだ項目の総復習と、期末テストを実施します。旋律聴音、リズム聴音、移調譜作成、和音の識別などをテストします。
期末試験評価方法・評価基準
春学期の期末試験はペーパーテストを実施します。
聴音(旋律、リズム)、移調譜作成、和音の識別、その他の試験になります。採点方式は、減点法です。つまり、一つもミスがなければ100点満点になります。目指せ、満点!
期末試験50% 出席30% 五線譜ノート20%