2024年度シラバス

尚美ミュージックカレッジ専門学校

科目名ソルフェージュⅣ
担当講師名小笠原 貞宗
学科ミュージカル学科
コース
専攻楽器グレード等
年次2年次
学期秋学期
授業の形態演習

担当科目に関連する実務経歴

授業内容

2年次の後半は、主として優れた音楽作品(クラシック、ミュージカル等)をどう咀嚼し味わったらいいか、さらに簡単な旋律とそれに合うコード進行の作成といった、創作レベルにも踏み込んでいきます。また、CD等の音源を耳コピーするなどの実践的方法にも触れていきます。音楽の現場では最小限の回数で瞬時に脳裏に焼き付ける絶対的な能力が要求されるのです。

到達目標(この授業で何ができるようになるのか)

ソルフェージュという科目の性質上、これでよいという能力の上限はありません。より高度なもの、より複雑なもの、より時間のかかるものに取り組むことで実力を向上させることが常に要求されます。まずは卒業後の仕事の現場で待ち受けている状況に対応する能力の準備が最優先です。その上で、さらに自分の音楽生活を充実させるための創作活動、耳コピーの実践を楽しみながら継続することです。

授業計画

第1回旋律聴音で、調号、拍子、譜割りの拍数の確認を再度学びます。基本的な事柄は常に再確認する癖をつけましょう。
第2回旋律聴音で、うっかり間違えやすい跳躍音程を正確に把握することを学びます。音程が取れるという時も、歌う直前に頭の中で鳴らしてから歌うので、正しく歌えるのです。
第3回和音の聴音で、重なった個別の音を聴き取ると同時に、和音としての色を感じ取ることを学びます。ここでは、聴覚神経の筋トレのつもりでがんばりましょう。
第4回リズム聴音では、4小節の短い課題から始め、記憶が完了してから記譜することも学びます。記憶力は鍛えれば必ず伸びます。集中力の訓練にもなります。
第5回リズム聴音では、さらに集中力を高めて、8小節の長い課題でも、記憶後に記譜することを学びます。頭の中にある五線紙に書き込む要領で記憶しましょう。
第6回和音聴音では、和音内の各パートの横の繋がりにも気づき、耳を働かせて聴き取ることを学びます。内声にこそ、隠れた音楽の醍醐味があるのです。
第7回第3クォーターで学んだ項目のチェックと総復習、小テストを実施します。普段からしっかりトレーニングしていれば、何も怖くない小テスト。
中間試験評価方法・評価基準
全くの新曲を初見で歌うという、追い込まれた状況下でも発揮できる真の実力を養うような小試験を実施します。実際の稽古場でもありうる状況に、学生のうちから慣れておくことも大切です。細かいミスを気にするよりも、大きな流れを捉えて歌うことが大切です。
期末試験50% 出席30% 五線譜ノート20%
第8回耳コピーの実践。カーペンターズやポール・モーリア楽団などの音源から特定の部分を聴き取る方法を学びます。何度も繰り返ししつこく聴くことにより道が開けます。
第9回耳コピーの実践から得られる音楽上の恩恵を学びます。聴くことにより、音楽の構造が見えてきます。細部と大きな構造との両方が把握出来るようになります。
第10回4小節(少楽節)×2=8小節(大楽節)の基本を学びます。音楽の創作は文章を書くのと共通です。ともにcompositionですから。構成する精神を学びます。
第11回音楽の様々な法則、名曲の条件を学びます。優れた作品には優れた作曲家の英知が詰まっています。これを学ばずに何を学びますか。
第12回旋律の背景にある和音の可能性、選択について学びます。和音の選択はセンスに尽きます。センスを磨くことに留意して集中しましょう。
第13回名曲の分析を通じて、音楽の不思議、感動体験の正体について深く学びます。クラシック音楽もポピュラー音楽も根底では同じです。
第14回仲間の作曲した旋律を聴き、互いに個性を認め合うことを学びます。感性の違う人が作った旋律の面白さを味わうことも大いに勉強になります。
第15回第4クォーターの総復習と期末試験を実施します。ソルフェージュの自習と今後を自分で計画します。将来の勉学の発展に希望を託します。
期末試験評価方法・評価基準
基本の課題(旋律聴音、リズム聴音)に加えて、創作課題も重視します。最後の試験となります。旋律聴音、リズム聴音、移調譜作成、和声付けなどの能力を見ます。鋭敏な耳を保持したまま。音楽業界で活躍できるように、なお一層の精進を要求します。減点方式、ミス0で満点獲得です。
期末試験50% 出席30% 五線譜ノート20%