科目名 | 演技基礎Ⅰ |
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担当講師名 | 大谷 美智浩 |
学科 | ミュージカル学科 |
コース | |
専攻/楽器/グレード等 | |
年次 | 1年次 |
学期 | 春 |
授業の形態 | 演習 |
担当科目に関連する実務経歴
『レ・ミゼラブル』『エリザベート』『MOZART!』等の東宝ミュージカルに出演、並びに『タン・ビエットの唄』『AKURO』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』等の脚本を執筆。
授業内容
前期は「活字の肉声化」をテーマに正しい台詞の覚え方を身に付けることで内容の理解を深めると共に、活字からの解放を体験して、「生きた言葉」とは何なのかを学びます。
後期は2人ずつのペアを組み、ダイアローグの実習を通して台詞の交流を学びます。
到達目標(この授業で何ができるようになるのか)
台本に書かれた活字をただ覚えた「貼り付けた台詞」ではなく、内容を理解し、言葉を意識の深部に深く刻み込む「活字の肉声化」のプロセスを通して、「活字から解放された演技」を目指します。更に、台詞の正確さや発語の明瞭さなど、俳優に必要な基本スキルを習得します。
授業計画
第1回 | 「台詞の3ポイント」・「イントネーション・アクセント」・「刺激と反応」などの概略を講義して、「俳優の仕事」の概略を学びます。 |
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第2回 | 「イメージ記憶」というエクササイズを通して、刺激に応じてアクションが起きる関係性を学び、それを台詞に応用します。 |
第3回 | 「言葉の始まりには必ずイメージが存在する」というメカニズムと、台詞を自分の言葉で言い換えるテクニックを学びます。 |
第4回 | 台詞を文節に分解してその語頭に意識を向ける「語頭アタック」と言うテクニックを通して、言葉へのニュアンスの込め方を学びます。 |
第5回 | 例題の中から好きな課題を選択し、これまでに学んだスキルを使って「活字の肉声化」を実習し、ビデオに録画します。 |
第6回 | 各自の演技をビデオで確認してリフレクション(振り返り)を行います。 |
第7回 | 学んだ各スキルを応用して、「活字の肉声化」と「活字から解放された演技」を目指して発表します。 |
中間試験評価方法・評価基準 | |
実技60%・授業態度20%・出席状況20% 実技ではテキストの理解度を最重視します。ただ台詞を覚えるだけではなく、どれだけ内容を理解しているか、さらには「刺激と反応の関係」「フレージング」「明瞭な発語」など、台詞についての基本スキルを総合的に評価します。 | |
第8回 | 落語のDVDを視聴後テキストを通して読み、ペアを組んで試験課題のブロックとそれぞれの役を決定します。 |
第9回 | 台詞を自分の言葉で言い換える「マイワード」テクニックを使って、立ち稽古でブロック通しを行います。 |
第10回 | 台詞を文節に分けて語頭を意識する「語頭アタック」テクニックを使って「フレージング」を行います。 |
第11回 | 「刺激と反応の関係」を確認する「背面チェック」というエクササイズを学び、相手からの刺激が自分の行動を生むメカニズムを確認します。 |
第12回 | 各ペア毎にグループワークを行い、中間発表として、ブロック通し稽古をビデオ撮影して記録します。 |
第13回 | ビデオ撮影した各ペアの通し稽古を視聴し、リフレクション(振り返り)を行ってそれぞれのパフォーマンスを自己評価します。 |
第14回 | それぞれが見出した課題に向けてのグループワークを行い、これまでに学んだスキルの復習とレベルアップを目指します。 |
第15回 | 第1クォーターのスキルに加えて「3つのT(テンポ・テンション・タイミング)」にも意識を向けて発表します。 |
期末試験評価方法・評価基準 | |
実技60%・授業態度20%・出席状況20% 実技では「3つのT(テンポ・テンション・タイミング)を最重視し、アドリブに走らない「テキストの正確さ」を厳しく審査し、その上で前期の課題であった「活字から解放された演技」への更なる追及姿勢や出席状況なども勘案して総合的に評価します。 |