科目名 | 映像演出論 |
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担当講師名 | 植田 寛 |
学科 | 音響・映像・照明学科 |
コース | |
専攻/楽器/グレード等 | |
年次 | 2年次 |
学期 | 春学期 |
授業の形態 | 講義 |
担当科目に関連する実務経歴
フリーディレクターとして、企画・演出・制作およびノンリニア編集・ドローン撮影の実務経験あり。
Master of Science in Global Information and Telecommunication Studies
授業内容
映像制作とは、単に映像技術の網羅したものでなく、その裏には常に意図が孕まれています。アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』を取り上げ、その作品中に潜む創造性と表現技術を紐解いていきます。Ⅱクォータでは絵画から写真への時代から映像史を理解し、Ⅲクォータ以降に学ぶ映像記号論やモンタージュ理論についての導入を図ります。
到達目標(この授業で何ができるようになるのか)
映像の学習とは単に機材の操作テクニックを習得するものでは無く、はじめに創造性ありきです。如何なるメッセージを如何なる技術を使って表現するかなのです。その真意を実感できる事を目指します。
授業計画
第1回 | ヒッチコックの人物像 "アルフレッド・ヒッチコックの生い立ち、映画との接点" |
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第2回 | サイコ① オープニング "マクロからミクロへの手法、冒頭にでるテロップの伏線" |
第3回 | サイコ② 中古車~モーテル "観客に情報を多く与える事の意図" |
第4回 | サイコ③ シャワールーム "シャワールームでの弁証法的モンタージュ表現方法" |
第5回 | サイコ④ アボガーストの死 "俯瞰撮影による「見せずして魅せる」技法" |
第6回 | サイコ⑤ エンディング 及びプロモ活動 "大胆な「サイコ」プロモーション手法" |
第7回 | 中間試験 ペーパー試験 |
中間試験評価方法・評価基準 | |
サイコの映画を表層だけではなく、撮影・編集等の深い「意図」が理解できているか。 映像制作とは単に撮影して編集するものではなく、ヒッチコックの「撮影の前に映画はほぼ出来上がっている」と言わしめる、その綿密な「意図」とその準備をすることがいかなることかの理解。 出席20% 平常点10% 試験70% | |
第8回 | 映画史① 絵画から写真"写真と芸術、ニエプス、ナダール様々な写真家" |
第9回 | 映画史② 写真から映画"マイブリッジの連続写真の果たした役割" |
第10回 | 映画史③ 技術革新 "リュミエールのシネマトグラフとエジソンのキネトスコープ" |
第11回 | 映画史④ 編集の目覚め"メリエスが築いた映画の希望、エンターティメントの目覚め" |
第12回 | 映像史⑤ 謎のカットバック "ポータ「アメリカの消防夫の生活」にみる映像コード" |
第13回 | 映画史⑥ 理論的映像論 "グリフィスから始まる理論的映像制作の考察" |
第14回 | 映像史⑦ 芸術的映画 "フイルム・ダール及びヌーベルバーグが残した遺産" |
第15回 | 期末試験 ペーパー試験 実技試験 |
期末試験評価方法・評価基準 | |
映画黎明期の映像史基本が理解できているか。単に作品名だけではなく、当時の作品が後にどの様に影響を与え展開させたかの理解を図る。 出席20% 平常点10% 試験70% |