【特別講座レポート】ユーフォニアム奏者 外囿 祥一郎氏による公開講座&ミニリサイタル
2012年1月11日、世界的に活躍されているユーフォニアム奏者 外囿 祥一郎氏による「公開講座&ミニコンサート」を開催しました。
公開講座では管弦打楽器学科、音楽総合アカデミー学科およびディプロマ科でユーフォニアム&テューバを専攻している学生によるアンサンブル3組がレッスンを受けました。
音域や音色が近く、”色”の変化を出しにくい同属楽器アンサンブルで如何にして多彩な音楽を聴かせるか、ということをテーマとして、特にダイナミクスレンジの表現などに着目し、さらには奏法、アンサンブルの作り方など幅広い内容。
また楽器の特性上、大きなホールでは響きが残り音の輪郭が不鮮明になりやすいので、タンギングや音の処理を気をつけること、お互いのニュアンスを掴みやすくするために配置を工夫したりといったことから、メンバー間での演奏上の”決め事”を作っていくリハーサルの進め方などとても実践的な内容で、時にはアンサンブルに加わり、学生の代わりにそのパートを演奏しながら指導して頂きました。
ユーフォニアムやテューバのみならず、他の楽器の専攻生もたくさん聴講していたのが印象的でした。
講座終了後はバリオホールに場所を移し、外囿氏のミニコンサート。作曲家の伊藤 康英先生がピアノを担当し、自身の楽曲の簡単な解説なども交えながら、外囿氏の卓越したユーフォニアムはもちろん、その暖かい人柄をたっぷり楽しめるステージでした。
公開講座 (本館M804教室)
編成 | 曲目 / 作曲者 |
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ユーフォニアム四重奏 (Euph.1 小島 嘉納、Euph.2 齋藤 萌、Euph.3 静 愛美、Euph.4 武内 凌) |
「ユーフォニアム・パフェ」より / 伊藤 康英 |
ユーフォニアム・テューバ四重奏 (Euph.1 庄村 空、Euph.2 吉川 純平、Tuba1 黒岩 恵佑、Tuba2 福岡 哲也) |
Cosmic Voyage / Michael Forbes |
ユーフォニアム・テューバ四重奏 (Euph.1 庄村 空、Euph.2 鈴木 祐果、Tuba1 和久井 瞬、Tuba2 白山 佑輔) |
Moondance / Jhon Stevens |
ミニリサイタル (バリオホール)
ユーフォニアム:外囿 祥一郎、ピアノ:伊藤 康英
[プログラム] |
外囿 祥一郎 (ほかぞの しょういちろう) – Euphonium
1969年鹿児島市生まれ。92年第9回日本管打楽器コンクールで第1位および大賞を受賞。94年東京コンセルヴァトアール尚美(現・尚美ミュージックカレッジ専門学校)ディプロマコース修了。97年英国テューバ・ユーフォニアム カンファレンスにおいて、日頃の演奏活動の功績が認められ「Euphonium player of the year」を受賞。同年9月にはフランス・フィリップジョーンズ・ブラスコンクール、ユーフォニアム部門において、1等賞を受賞。2000年2月 東京オペラシティ リサイタルシリーズ『B→C』に出演。これまでにNHK交響楽団、大阪市音楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、九州交響楽団、札幌交響楽団、ジャパン・ヴィルトーゾ・オーケストラ、ストラスブール管弦楽団、セントラル愛知交響楽団、東京交響楽団、東京佼成ウインドオーケストラ、などの演奏団体と共演を行なう。
また彼のために書かれた優れたユーフォニアムのオリジナル作品発表は、その可能性を追求し続ける姿勢であり、高く評価されている。ソロ・コンサートは国内外で開催されており、その他、ザ・テューバ・バンド、ブラス・ヘキサゴン、Mr.UFOなどアンサンブル・ユニットにも意欲的な取り組みをみせている。これまでに発表されたアルバムは18枚(内3枚は文化庁芸術祭ノミネート作品)、ほかゲスト・ソリストとしても多数のアルバムに参加している。ユーフォニアムを三浦 徹・露木 薫・スティーヴン ミードの各氏に師事。
現在、航空自衛隊航空中央音楽隊ソリスト、洗足学園音楽大学非常勤講師および相愛大学音楽学部特別講師。
http://www.hokazon.com