6/28,2012
2012年6月27日、コンセルヴァトアール ディプロマ科の「アナリーゼ特別講座」を実施しました。
作曲家の伊藤 康英先生を講師に迎え、作曲家ならではの視点から楽曲分析を展開していただき、演奏家として知っておかなくてはならない知識と、それを実際に演奏に活かす方法を習得するためのこの講座。
今回はバロック、ロマン派、近現代それぞれから3作品を取り上げ、受講生によるモデル演奏+レッスン、という形式で進められました。
楽曲分析の第一歩として、和声進行や終止形に着目することからはじまり、モティーフの由来や類似性を意識して演奏すること、テンポ設定など世間では慣例的に演奏されている部分についても一度楽譜本来の指定に立ち返ってみることの意義など、作曲者の工夫を「面白い」と感じ取り、それを演奏に反映させて表現することの重要性や面白さについて教えていただきました。
また、和声の進行を理解しやすくするために無伴奏の作品にピアノ伴奏をつけてみたり、モーツァルトのピアノソナタや「赤とんぼ」のような誰もが知っている曲を例に作品の構造の解説をしてみたりと、とても解りやすく親しみやすい講座でした。
次回は2012年10月17日(水)開催の予定です。
曲目 |
受講生 |
J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013より I.アルマンド |
島田 沙織 (Flute) |
A.グラズノフ:サクソフォーン協奏曲 |
浅見 祐衣 (Alto Saxophone) |
北爪 道夫:サイド・バイ・サイド |
山田 祐将 (Percussion) |
4/23,2012
2012年4月21日、尚美バリオホールにて、コンセルヴァトアール ディプロマ科「現代音楽研究特別講座 授業発表会」を開催しました。
ディプロマ科で専攻ゼミナールとして開講されている「現代音楽研究」(講師:板倉康明先生)受講生による、演奏会形式の特別講座です。
現代音楽の分野で高い評価を得ている板倉先生による指揮&解説で、室内楽や少人数の吹奏楽など様々な編成のために書かれた現代音楽作品を紹介しました。
各グループの演奏はもちろん、作品が書かれた経緯や作曲家の人柄までに踏み込んだ板倉先生の解説もとても内容の濃いもので、短時間ながら現代音楽の魅力をたっぷり楽しめる発表会でした。
曲目 |
作曲者 |
編成 |
Rasch |
Franco Donatoni |
サクソフォーン4重奏 |
Out of Black Dust |
Mark-Anthony Turnage |
金管アンサンブル |
Esprit rude / esprit doux II |
Elliott Carter |
Fl. & Cl. & Mar. |
織られた時 III 〜管楽アンサンブルのための〜 |
野平 一郎 |
小編成吹奏楽 |
秘儀 I 〜管楽合奏のための〜 |
西村 朗 |
Poem Rhythmic for Wind Ensemble |
一柳 慧 |
なお、今年度のディプロマ科では、こうした特別講座や国内外の楽壇で活躍する音楽家を招いたマスタークラスレッスンなどを「公開講座」という形で、音楽を学んでいる学生の方も含め広く一般の方にも聴講していただける機会を用意しています。詳細は以下のリンク先をご覧ください。
【コンセルヴァトアール ディプロマ科 2012年度公開講座】
2/6,2012
2012年1月28日、尚美バリオホールにて、コンセルヴァトアールディプロマ科「専攻レパートリー研究コンサート」を開催しました。
このコンサートは、ディプロマ科で開講されている講座「専攻レパートリー研究」の集大成として行われたもの。去年までは『伊藤康英とゆかいな仲間たち』というタイトルのアンサンブルを主体としたコンサートが行われていましたが、今年はソロを主体として、このコンサートが開催されました。
出演したのは同講座の受講生9名。演奏の合間には、講師の伊藤康英先生による授業紹介や出演者とのトーク、演奏曲の簡単な解説等もありました。出演者と曲名は以下の通りです。
出演者名 |
楽器 |
曲名 |
上別府宙 |
ティンパニ |
4台のティンパニの為の8つの小品より I. VIII.(エリオット・カーター) |
吉岡理菜 |
マリンバ |
カメレオン(エリック・サミュ) |
加藤大輝 |
マリンバ |
トッカータ(アンナ・イグナトビッチ) |
島田沙織 |
フルート |
スペインのフォリア(マラン・マレ) |
中島麻美 |
サクソフォーン |
ソナタ(エディソン・デニゾフ) |
山本浩代 |
マルチパーカッション |
ちいさな毛布にくるまって眠る少女(ケビン・ボランズ) |
塚田奈緒子 |
サクソフォーン |
カデンツァ(ルーシー・ロベール) |
赤木俊祐 |
サクソフォーン |
アルト・サクソフォーンとピアノのための「ツヴァイザムカイト I」(伊藤康英) |
齋藤麻美 |
ヴィブラフォン |
ムーンチャイルド/イン・ユア・クワイエット・プレイス (キース・ジャレット&ゲイリー・バートン) |
アンコールは打楽器メンバーによるアンサンブルの演奏で「バリ島からの幻想曲’84」、木管メンバーによる演奏で「フルーツ・パフェ」(いずれも伊藤康英 作・編曲)をお送りしました。
なんと「バリ島~」のPercussion1パートは伊藤康英先生自身が演奏!レアな風景に会場は盛り上がりました!
お越し下さった皆さま、ありがとうございました。
11/21,2011
2011年11月16日、チェコ出身のクラリネット奏者 イルヴィン・ヴェニシュ氏による「クラリネット公開講座&ミニリサイタル」を開催しました。
コンセルヴァトアール ディプロマ科に在籍する3名のクラリネット専攻生が、それぞれヴィットマン、クロンマー、マルティヌーというチェコゆかりの作曲家の作品を取り上げ、その楽曲が書かれた経緯なども交えながらレッスンしていただきました。
講座終了後は尚美バリオホールに場所を移して、ヴェニシュ氏によるミニリサイタル。
モーツァルトのコンチェルトやウェーバーのコンチェルティーノ、メサージュのソロ・ド・コンクールなど、クラリネット奏者にはおなじみの楽曲の数々、そしてアンコールにはモンティの「チャルダッシュ」を披露。豊かな音量と華やかな音色、そして卓越した技術に、たくさんの学生が聴き入っていました。
なお、公開レッスンの通訳および解説、ミニリサイタルのピアノ伴奏を担当されたのは、同じチェコ出身である音楽家A.キューネル氏。指揮者および指導者として名高いキューネル氏ならではのアドヴァイスも印象的でした。
Irvin Venyš (Clarinet) プロフィール
イルヴィン・ヴェニシュは、現代、チェコの若手世代での傑出した芸術家です。彼はバイロイト音楽祭、EBU新人、プラハの春、パリ、チューリッヒ、マデイラ島など、世界で最も権威のある数々の国際音楽コンクールでトップの賞を獲得し、また、パブロカザルスフェスティバル(プラド)、ミッド・ヨーロッパ、モーツァルトデルヨーロッパ(マンハイム)など最も権威ある音楽祭で彼の演奏が賞賛され、他にも日本、ドイツ、フランス、スペインなど世界を又にかけて活躍をしています。古典から現代音楽まで活動レパートリーは幅広く、オズワルド・ゴリホフ、ベティ・オリベエロ、イサン・ユン、ヤン・デュセック等、数多くの初演作品を手がける他、伝統的な民俗音楽や世界をリードするアーティストとコラボレーションしています。ブルノ音楽院、プラハの舞台芸術アカデミー、パリ国立高等音楽院を卒業。在学中よりチェコのラジオやテレビ、南ドイツ放送交響楽団、アルコ・ディーヴァ等の収録を行っています。
11/18,2011
2011年11月14日、SHOBI 校舎内にて、コンセルヴァトアールディプロマ科主催による「ファブリス・モレッティ サクソフォーン公開講座」を開催しました。
講座は、前半が公開レッスン、後半がモレッティ氏によるミニリサイタルという2部構成。
公開レッスンでは、音楽総合アカデミー学科4年の大木麻衣さん・ディプロマ科1年の中島麻美さん・同2年の赤木俊祐さんが、パスカルの「ソナチネ」・グラズノフの「サクソフォーン協奏曲」・デザンクロの「前奏曲、カデンツァと終曲」をそれぞれ取り上げ、奏法や表現等の指導を受けました。通訳は本学講師・波多江史朗先生。
公開レッスンに続き、場所をバリオホールに移して行われたミニリサイタルでは、モレッティ氏のソロにより、デュボワの「フランス組曲」、パスカルの「ソナチネ」、プラネルの「ロマンチック組曲」を披露。
サックス専攻生が、その妙技に聴き入っていました。