尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

II. コンサートマーチ「光と風の通り道」(栗栖健一)

天野正道先生・佐藤正人先生・渡辺由美子先生による鼎談

<課題曲共通コメント>

佐藤正人(以下、佐藤)―― 天野先生、今年はマーチが課題曲ですが、先生から見て 今回の4作品の印象はいかがですか?

天野正道(以下、天野)―― 今年は作品の傾向がとても「似ている」という印象を持ちます。おそらく4/4拍子の作品だけになった影響もあると思います。また、設定された調性が課題曲 I…E♭、II…E♭、III…F、IV…B♭と近親調である点や、テンポ設定もI…138、II…126~132、III…138(主部)、 IV…132と近い点、ブレイク(休止)やホルンのグリサンドやミュートの使用、打楽器の用法に共通点が見られるためでしょう。他に6/8や2/2・2 /4のマーチは、なかったのかなぁ…?

佐藤――  ということは4曲の個性の違いを引き出すことも表現のポイントになりますね。

天野――  コンクールでの演奏を聴く観点もそうなると思います。

佐藤――  由美子先生、打楽器はいかがですか?

渡辺由美子(以下、渡辺)――  今年は鍵盤打楽器やB.D.も結構重要ですね。

佐藤――  では早速課題曲1番を見ていきましょう。

<課題曲2 光と風の通り道>

佐藤―― イントロはどうですか?

天野―― (1)Trp.,A.Sax.,T.Sax.,Trb.の3連符のリズム、(2)低音(打楽器)、(3)木管楽器(Fl.,Cl.)のトリルの3つのラインですね。アクセントの位置に注目して演奏しましょう。

佐藤―― 3小節目はビートが変わるのでテンポ感・ビート感揃えたいです。ここは要注意です。2拍目と3・4拍目のスタッカートアクセントも明確に。4小節目の4分音符アクセントはハーモニーを響かせて。天野先生、[A]~のメロディーはマルカートとアクセントの指示だけですが…

天野―― [A]~のメロディーは、マルカートとレガートの両方練習してみるといいかな。アクセントのあるところにウエイトをかけてニュアンスをつけるとか。少しメロディーの流れが、歌いにくい進行なのかもしれません。

佐藤―― 短くずっと練習しているとフレーズ感欠けてきますからね。8小節目の伴奏のシンコペーションは節目なのではっきり欲しいです。

天野―― [B]からA.Cl.,T.Sax.,Trb.,Euph.の動きはマルカートですが、アクセントの意味を考えてメロディーらしく演奏しましょう。(強くなりすぎない、短く切り過ぎない)

佐藤―― [B]の1・2小節目で、Cl.の音の配置が変わるので自然に聴こえるように。[B]~新しく入るFl.とTrp.とのバランスも考えたいですね。

天野―― ここのTimp.の意味は「???」だなぁ。

佐藤―― [C]~メロディーは4+4のフレーズで。後半音程近い部分はピッチを確実にとって演奏しましょう。伴奏は、ハーモニーとリズムの両方を合わせたいですね。

天野―― ここのHr.のグリッサンドと27小節の旋律は見せたいところ。

佐藤―― 24小節目などのB.D、Cym.、S.D.のアクセントは表現のポイントですね。

渡辺―― B.D.、Cym.はタイミングをしっかりあわせたいです。セッティングもマーチはB.D.とCymを.必ず隣に並べたいです。

天野―― 28小節目アウフタクトからのmf のニュアンスは大事。[D]からTrioへは当然少しクレシェンド気味で向かっていく感じで。36小節目のcresc.→f は見えるように。

佐藤―― トリオは38小節目でdim.ですね。見落としやすいかな。

天野―― [F]から伴奏のTrb.の4分音符テヌートは長くならないように。独立したテヌートで。

佐藤―― 旋律のpは消極的にならずに思い切って弱奏の中で表現したいですね。もちろんニュアンスをつけてOKです。自然に歌いたいですね。

天野―― このメロディーのフレーズは4+3で、その後のTrp.の合いの手につなげる…ここはあまりダイナミクスの変化はないけど、表現は自発性で。(そのあとの [G]からも同様)

天野―― 45・46小節目の休符のニュアンスは、この曲の演奏のポイントになるので、テンポ感が変わらないようにすることと、46小節目の低音の入りのタイミングは気をつけたいですね。

佐藤―― 50小節目のCl.とSax.のメロディーのニュアンスとピッチは要注意です。良く合わせて。

天野―― [H]1小節前のパウゼ(休止)もポイントです。この曲の特徴のひとつです。そのあとに[H]からの対旋律がアウフタクト。
[H]は(1)メロディーライン、(2)Picc.,fl. のオブリガート、(3)対旋律の3つのラインですね。ここはバランスをとってどこを聴かせるか、工夫したいですね。62小節目のパウゼも。その前のリズムの音量の処理は、軽く。

天野―― [ I ]からmf に変わって、Picc.,Fl.のオブリガート、メロディー、対旋律の3つのラインです。

渡辺―― [ I ]からS.D.のロールは16分音符4つのタイミングで。B.D.はSt.B.のニュアンスで演奏しましょう。

佐藤―― 70小節目の軽さと、[J]からの力強さとのコントラストは、はっきりほしいですね。

天野―― ここの三連符のモティーフはイントロにあったね。[J]からのTrp.を追いかけるHrn.、Trb.,Euph.のそれぞれのラインは、ビート感をもってバッチリ合わせたいですね。72・74小節目の低音とPerc.の3拍目裏にある8分音符アクセントはしっかり。特に2つ目は転ばないように。S.D. はTrp.とPerc.セクションのどちらにあてはまるのかなぁ?

佐藤―― [K]~[L]は3つのライン((1)メロディーライン、(2)Picc.,Fl.,E♭Cl.のライン、(3)対旋律のライン)にわかれますが、f →ffで、ここは積極的に演奏したいですね。

渡辺―― 84小節目の打楽器のsolo。S.D.のロールの後の16分音符をわける(タイの後)ことと、S.D.のアクセントとB.D.,Cym.のアクセントのタイミングを合わせて決めたいですね。

佐藤―― Timp,は3拍目にアクセント。これはかなり聴こえるように演奏したいですね。[L]からff の2拍3連は、はっきり吹きましょう。ここから最後までff ですが表現が単調にならないように演奏したいです。

渡辺―― ここのTimp.の音替えは大丈夫かな…? 練習要りますね。

天野―― 91小節目からイントロのモティーフが再現されます。93小説目のビート感のチェンジと94小節目のパウゼから最後の16分音符のタイミングも大事ですね。

佐藤―― ありがとうございました。