尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2008年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

II. マーチ「晴天の風」(糸谷 良)

パート別ワンポイントアドバイス(オーボエ編/講師・市原 満)

渡辺 泰 Allegro con brio「活き活きと速く」と記された4分音符=132ca.の快速マーチ。通常マーチテンポはMax.4分音符=116で2拍子。4拍子で非常に速いこの曲は、歩いて行進することは意識せずに、完全にコンサートマーチととらえるべきかもね。
Ob. はオプション扱いで他のパートと常に重なっているけど、音色美しく、音程ピタリ、アーティキュレーション表現をクリアにして、Ob.が加わった魅力的なサ ウンドを作って欲しい。E♭-DurからA♭-Durへの転調というOb.にとっては、正確なフィンガリングが必要だから、16分音符の細かい動きは、 しっかり練習してくれ(練習法は、I 「ブライアンの休日」参照)!

● 序奏3小節目の16分音符連続は、全部スラーが付いているけど、1拍ごとにタンギングして滑らないように練習するのがコツ。cresc.も2拍目mp 、3拍目mf 、4拍目f 、というように段階的にダイナミクスを変えると表現し易い。

● [B] からの旋律は、8分休符とタイがポイント。13小節目1拍目ウラの8分休符は2拍目を少し強調するためのもの。ウラ拍をしっかり感じてためると2拍目の4 分音符が少しアクセント気味に活き活きと表現できる。タイの着いた音は、次の拍をしっかり感じて、あせらずに。15小節4拍目のテヌートは、ベタ~っとし ないで、アウフタクトを強調するように。

● [C] 、アウフタクトからの旋律は息の流れを真っ直ぐスムーズに!espressivoと記されているが、過剰な表情はこの爽やかな作品には似合わないかな。で もヴィブラートは軽くかけよう。[C] 5小節目のリズム合いの手、16分音符はダブルタンギングが望ましい。もちろん他の木管楽器も。シングルタンギングでは重くなってしまうからね。

● [D] の旋律はスタッカート+マルカート。1拍目ウラの8分休符は前記と同様に。他多くのパートがユニゾンだから無理せず美しいf で。
● Trio、47、48小節の16分音符は4拍子ではなく12/8+2/4拍子ととらえるとリズムの面白さを表現できる。Fのフィンガリングは左FキーでもフォークFでも使いやすいほうでOK。ちなみにMANは左Fキーを使用。

● 73小節からの旋律は美しく柔らかい音色で。ここもespressivoと記されているが、息を真っ直ぐ安定させるのがポイント。表情豊かにしようと息の 流れを無理に変化させると、音程や音色が乱れるから要注意。でもヴィブラートは忘れずに。D♭-E♭の連続は必ず左E♭キーを使うこと。絶対に右小指をず らすことはダメ。

● [H] のウラ打ちは短くクリアに。そのあとの16分音符は1拍目をしっかり感じて、走らないように(あたりまえか…)。88小節目のE♭-FトリルはE♭の運指で右中指のみ動かす(左人さし指はハーフホール)。
● [ I ] から終止形。16分音符の速い動きを正確に、ウラ拍のタメをしっかり感じて滑らないように迫力を出そう。でも美しいff は忘れずに!

【市原 満プロフィール】
トランペットを北村源三、北川晋、故金石幸夫の各氏に師事。80年東京芸術大学音楽学部別科修了。同年オーボエに転向。似鳥健彦氏に師事した後、81年ド イツに留学。ベルリンでハンスイェルク・シェレンベルガー(ベルリンフィル)、ミュンヘンで故マンフレット・クレメント(バイエルン放送響)の各氏に師 事。
86年帰国後、多数のリサイタル、ソロコンサートを開催。NHK-FMリサイタル出演等ソロの他、木管五重奏団「アマデウス・クインテッ ト」を主宰、活発に演奏活動を行っている。また全国各地で、吹奏楽コンクール、アンサンブル・コンテスト等の審査員や吹奏楽講習会、オーボエクリニックの 講師を務める他、「バンドジャーナル(音楽の友社)・ワンポイントレッスン(2002年)、MANちゃんの木管アンサンブルの楽しみ(現在連載中)」の連 載等執筆活動も行い、多方面で活躍している。
日本オーボエ協会常任理事、玉川大学芸術学部講師、東京ミュージック&メディアアーツ尚美講師。  (使用楽器:YAMAHA YOB831)