尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2010年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

I. 迷走するサラバンド (広瀬正憲)

パート別ワンポイントアドバイス(オーボエ編/講師・市原 満)

市原 満冒頭・プロローグに登場する16分3連符(6連符)はテンションの高さを要求されているから、クリアなアタック、タンギングで正確にアーティキュレーションを表現すること。10小節目2拍目のテヌートは、ほぼマルカートで力強く!テヌート→アクセント→山形アクセントと記されているのは感情の激しさが増していくのを表現すると考えられるね。

・[A] からAgitato(激しく)、 4分音符=144ca.(ca.はcirca。「約」の意味)とかなりな快速。ジャストタイムで発音するためにはブレスの場所を決めて、テンポに合った素 早いブレスをしなければならない。「ハッ!」ていう感じで小さく吸うといいね。

・18小節目からの3連符は、入りが遅れないようにするために、前の小節の4拍目で「ハッ」と息を吸って、8分休符ではセッティング(口を閉じ、舌をリードにあて、息の圧力がしっかりかかっている)が完了していることがポイント。

・[C]、2小節目(30小節)からの16分音符連続は1拍目と3拍目にちょっとポイントを置くと走らないで他のパートとピタリ合う(オーボエだけの問題ではないけどね…)。D♭-E♭のフィンガリングは必ず左E♭キーを使うこと(以下すべて)。右小指をスライドしていたら間に合わないよ。

・[H] 69小節2拍目の小さなクレッシェンド~ディミヌエンドはヴィブラートをかけて、少しespressivo(感情こめて)で十分。過剰にダイナミクスを変化させないこと。

・[J] 2小節目(85小節)のクレッシェンド~ディミヌエンドは4拍目の2分音符に向かっていくように息を使うと楽に表現できる。
・88小節からの旋律はロングトーンをやっているように息を真っ直ぐスムーズに。少しヴィブラートをかけてespressivoを表現。
・103小節、Animatoの3連符はクリアなスタッカートで。力強さが必要だから短すぎないように!
・ラスト、エピローグはGraveでゆっくり重々しく。付点4分音符はしっかり息を入れてテンションを保とう。

【市原 満プロフィール】
トランペットを北村源三、北川晋、故金石幸夫の各氏に師事。80年東京芸術大学音楽学部別科修了。同年オーボエに転向。似鳥健彦氏に師事した後、81年ドイツに留学。ベルリンでハンスイェルク・シェレンベル ガー(ベルリンフィル首席)、ミュンヘンで故マンフレッド・クレメント(バイエルン放送響首席)の各氏に師事。86年帰国後、多数のリサイタル、ソロコン サートを開催。NHK-FMリサイタル出演等ソロの他、木管五重奏団「アマデウス・クインテット」を主宰、活発に演奏活動を行っている。また全国各地で、 吹奏楽コンクール、アンサンブル・コンテスト等の審査員や吹奏楽講習会、オーボエクリニックの講師を務める他、「バンドジャーナル(音楽の友社)・ワンポイントレッスン(2002年)、MANちゃんの木管アンサンブルの楽しみ(現在連載中)」の連載等執筆活動も行い、多方面で活躍している。
日本オーボエ協会常任理事、玉川大学芸術学部講師、東京ミュージック&メディアアーツ尚美講師。
市原満公式ホームページ:http://ichihara-man.com/