尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2010年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

I. 迷走するサラバンド (広瀬正憲)

パート別ワンポイントアドバイス(トロンボーン編/講師・奥村 晃)

郡 恭一郎[Prologue] : 9小節目から、木管群などの細かい動きの裏での比較的シンプルなリズムですので、しっかり和音を構築したまま11小節目に向かって上り詰める感じです。
最初はシンコペーションですが、できるだけ音を抜かずに、緊張感のあるクレッシェンドにしましょう。

[A] : 刻みはできるだけ短くタイトに。
[B] : 25小節目からは特に5拍目のテヌートを少し強調させるとフレーズ感が増します。28小節目に入るところはトロンボーンだけ前の小節からタイですので、タイ明けの1拍目裏の食いつきが遅れやすいので気をつけましょう。

[D] : 36・38小節目の4分音符は、特に強弱記号はありませんが、テヌート=主張、という感じで、前後の刻みより一段階大きく、できるだけ長くかつクリアーなサウンドを目指してください。

[E] : ここのテヌートは、36・38小節目よりさらに重々しく、粘りのあるサウンドで。
[F] : ここの伴奏は、旋律パートのレガートをよく聴き、リズムを出すことより音楽的な流れを崩さず暖かなハーモニーをキープするよう心がけてください。

[H] : 69・73小節目の頭の8分音符のテヌートは少し念を押す感じで。特に73小節目はデクレッシェンドのあとのいわばsub.f なので強調ぎみに。

[J] : 88~90小節は基本的に毎回クレッシェンドしなおしでいいと思います。2分音符と4分音符でのクレッシェンドの形をホルン、ユーフォニウムを含めたセクションで統一しておきましょう。

[K] : トロンボーン等中低音の弱奏からバンド全体に広がるクレッシェンドです。p スタートですが、しっかりとした意志、主張のあるサウンドで。なんとなくぼやけてしまいがちなので注意しましょう。

[L] : 3連符と16分音符のリズムの違いを明確にし、できるだけクリアに。この曲で最も大きくなるのが106小節目です。フォルテからのクレッシェンドですので 差がつきにくいですが、ここのクレッシェンドは作曲者もおっしゃっているとおり『爆発』ですので正確なリズムでかつ荒々しく。

☆重厚なテヌート、決然としたリズム、クレッシェンドの緊張感、流れがあり美しく暖かい伴奏形…このあたりがきっちり区別できると色彩豊かな演奏につながると思います。

【奥村 晃プロフィール】
長野県立上田高校を経て東京藝術大学音楽学部器楽科に入学。1995 年安宅賞を受賞して卒業する。同時に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団し、1996年からは財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団に移籍し、現在に至る。これまで、1991年 第8回日本管打楽器コンクールトロンボーン部門入選、1997年には第14回日本管打楽器コンクールトロンボーン部門第1位を受賞し、同時に東京都知事賞、文部大臣賞も受賞する。