尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2010年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

II. オーディナリー・マーチ (高橋宏樹)

パート別ワンポイントアドバイス(サクソフォーン編/講師・中村均一)

中村均一とても爽やかなマーチですが、意外にきちんと聴かせるのは難しいです。
まず、発音やリズムのキャラクターをしっかりと表現できなくてはなりません。
音の出し方を舌に頼っている人はきれいなアタックにはなりませんから、アンブシュアと息の圧力とリードのセッティングのバランス、舌のリードへの当て方を見直して、美しいアタックを聴かせる練習をしましょう。

付点のリズムがとても大切ですが難しいです。[A] からのリズムは裏拍のビートを取れると正確な表現の近道になると思います。一度楽譜を口で歌いながら手や足で裏の拍を打ってみましょう。良い感覚が身に付いてくると思います。
と云う様に、いきなり楽器を吹いて音符を追う前に正しい奏法をチェックする事や、表現のイメージを持つ事がこの曲を見事に演奏する事への近道だと思います。

また、[A] の1小節目の付点と5小節目のリズムは似ていますが全然違います。裏拍は同じように感じますが、休符があるだけで息の形が変わりますから、これも口で歌ってみてニュアンスを掴みましょう。
リズミカルな表現には必ずアクセントが付きますから、拍子とリズムのどこに強い音が必要か、やはり口で歌って見ましょう。
アルト、テナーの29小節目30小節目にオクターブの跳躍がありますが、この一瞬をなるべく伸び伸びと聴かせるような息使いを研究しましょう。アルトの上の「E」の音程が高くなる様でしたら、左手のサイドキイのどれかを外して調整をしてみてください。

[C] の8分音符のリズムは出来ればダブルタンギングにすると軽く楽に表現が出来ます。トランペットの様に同じ音の刻みは実はサクソフォーンはとても苦手なので、曖昧な発音にならないように練習をしましょう。

Trio からのメロディは美しいですね。楽器編成も少なく書かれていますので、1番アルトは気持ちよく演奏できると思います。無理をしないで楽に美しく響かせま しょう。[F] からはハーモニーのアンサンブルをしっかりとまとめましょう。2番奏者がしっかり1番に合わせるには変え指で音程のコントロールをする事が不可欠です。音 量のバランスも怖がらずにしっかり作るつもりで楽器を鳴らしましょう。[E] に対して[F] のサウンドの違いを作るのは2番奏者とテナー奏者の腕の見せ所です。

[G] から又リズミカルなテーマに戻りますが、さらに装飾音が出てきます。かなり強調をしないと響きに埋もれてしまいますが、美しい動きがギクシャクしないように優雅なニュアンスを研究しましょう。
また、最初のテーマから2回下属調へ転調しますので、それを意識してコードやメロディの歌い方を工夫すると生き生きとした演奏に繋がると思います。

【中村均一プロフィール】
1983年東京芸術大学を卒業。同年、同大学同声会新人演奏会に出演。また、東京文 化会館新人オーディションに合格。1982年にアルモ・サクソフォーン・クァルテットを結成。1986年第21回民音室内楽コンクール(現東京国際音楽コ ンクール室内楽)第1位を受賞。1988年、第9回、第10回、第11回、第13回のワールド・サクソフォーン・コングレスに日本代表として出演。 1999年のスイス・ロマンド放送交響楽団の日本ツアーに参加。また、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団等、 オーケストラのサクソフォーン奏者としても活躍している。NHK-FMフレッシュコンサートやFMリサイタルには度々出演。これまでに、クァルテットやソ ロなど10数枚のCDをリリース。尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科専任講師。