尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2011年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

V.「薔薇戦争」より 戦場にて (山口哲人)

パート別ワンポイントアドバイス(ユーフォニアム編/講師・齋藤 充)

齋藤 充[冒頭]
正しい3連符のリズムに気を付けましょう。最初の音をぶつけすぎないで、2個目の音は短くなりすぎず、3個目の音は次に向かって少し弾むように、そして次の拍の長い音がゴールになります。ワーグナーのワルキューレでも使われているリズムですので、そういったオーケストラ曲からアイディアをつかんでいくのもよい方法だと思います。長い音を吹く際には、他の声部に耳を傾けると、自然な伸ばしになるはずです。

[B]
ff からのクレッシェンドですが、音色が平面的にならないように気を付けましょう。豊かで輝きのある音色をイメージして。このような場所で、オーケストラのトロンボーンセクションのように演奏できるとよいことと思います。14小節目では、次の小節に向かっていくように。

[C]
15小節目では、ホルンの動きを聴いて予測して2拍目以降を吹きましょう。さもないと、音楽的つながりがいまいちで、遅れてしまいます。

[D]
32小節目からは、入りのタイミングをつかむために、スネアドラムと練習してください。スタッカートで音を短くしすぎて止めすぎないように。ここでは音楽の横のラインを出さなくてはいけません。また、3連符はスネアドラムのリズムにまどわされずに。クレッシェンドの頂点を意識して演奏してください。36小節目からは、トロンボーンセクションの内声になります。音のブレンドに注意してください。

[E]
8分音符はコントラバスの音の長さにそろえるようにしてみてください。43小節目後半のリズムは停滞しないように、そしてスラーを意識して。44小節目以降はアーティキュレーションに注意をして方向性を持って吹きましょう。

[F]
この動きを持っているのは、ユーフォニアムとアルト・バスクラリネットだけになります。バンド全体を引き締めてあげるような意識を持って吹きましょう。52小節目はきちんとリズムが出るように、そして最後の音に行く際に音楽が途切れてしまわないように丁寧に練習しましょう。

[G]
ダブルタンギングが必要になります。きちんと最初の音がテンポに乗ることができるようにしましょう。

[H]
低い音でのダブルタンギングは鳴りにくい場合が多くあります。練習の段階では短くなりすぎないように息がきちんと入っていくようにしましょう。

[ I ]
ここからトロンボーンと一緒の動きになります。音色のイメージはトロンボーンのように。4分音符はやせてしまわないように注意しましょう。

[K]
94小節目からは、コントラバスのピッチカートにスタイルを合わせましょう。でも、きちんと音の実態がわかるように吹いてください。短い音で擦れたような音にならないように気を付けましょう。

【齋藤 充プロフィール】
1977年福島県生まれ。1999年国立音楽大学卒業。卒業時に矢田部賞を受賞。 1999年よりアメリカに留学、2001年ミシガン大学大学院修士課程修了。2001年よりノーステキサス大学大学院博士課程に在学し、現在博士論文作成中。
ユー フォニアムで1998年日本管打楽器コンクール、2003年フィリップ・ジョーンズ国際コンクール(フランス)、2004年レオナルド・ファルコーニ国際 コンクール(アメリカ)のすべてにおいて第1位受賞、トロンボーンでは2002年ニューヨークブラスカンファレンス金管五重奏コンクール第1位、2003 年国際トロンボーンフェスティバル四重奏コンクール(フィンランド)ファイナリスト等の受賞歴を持つ。国内外で多くのソロリサイタルを開催する他、読売新 人演奏会、ヤマハ金管新人演奏会、NHK-FMリサイタル、東京オペラシティ主催のリサイタルシリーズB→C、アメリカで行われたテューバ・ユーフォニア ムカンファレンス等に出演し、また東京交響楽団、ミシガン大学フィルハーモニーオーケストラ、ミュールーズ交響楽団、ノーステキサス大学金管バンド、各地 のアマチュアやスクールバンド等とコンチェルトを演奏している。ノーステキサス大学在学中には指導助手としてユーフォニアムと室内楽を教える。これまでに ユーフォニアムを三浦徹、渡部謙一、ブライアン・ボーマン博士、フリッツ・ケィンズィックの各氏に、トロンボーンをヴァーン・カーガライス、トニー・ベイ カー、デヴィッド・ジャクソンの各氏に師事。
2006年10月より日本に帰国してソロ活動の他、侍Brass、吹奏楽やオーケストラのエキストラ、室内楽演奏、管楽器と合奏の指導等で活動している。現在、尚美ミュージックカレッジ専門学校、国立音楽大学、国立音楽大学附属高等学校非常勤講師、KEI音楽学院講師。