尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2011年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

V.「薔薇戦争」より 戦場にて (山口哲人)

パート別ワンポイントアドバイス(オーボエ編/講師・市原 満)

市原 満シェークスピアの作品を題材にした壮大な曲。作曲者のコメントにもあるけど、是非この機会にシェークスピアの史劇を読んでみよう。演奏に役立つこともあるが、教養を深めるためにいいかもね。

■Maestosoとあるように、荘厳で堂々とした序奏。テンポ4分音符=80と指定されているけど、音符の価値を時間いっぱい使って、急がないようにしよう。 3連符の付点リズムはマルカート。音と音の間を少し空けると表現しやすい。
譜例

■2拍3連が随所に出てくるけど、これもマルカート。べた~っとしないように注意。
譜例

■20小節目からの第2オクターブのAは、必要以上にdim.しないように。口の中の容積を小さくして(シラブル、hiの発音の舌の形)吹くと、Aは安定するぞ。
譜例

■[D]からAllegro molto。4分音符=150の指定。速い!5拍子の躍動的リズムが戦いを表しているのかな。36小節の中音Cは音色が開かないように、シラブル&息のコントロールが必要。記されたクレッシェンド・ディミヌエンドはあまり極端に表現しないで、表情をつけるくらいで十分。ヴィブラートも少なめで緊張感を出そう。
譜例

■[F]1小節前はTrp1&E♭Clと一緒だけど、Obが主役のつもりで吹こう。F#の伸ばしでしっかりクレッシェンドして3連符はff &マルカートにすると力強さが表現できる。
譜例

■[F]の8分音符刻みのアクセントを出すためには、Hを短くすること。Hを舌で止めると表現しやすい。お腹で音を切らないこと。
譜例

■[H]3小節目3拍目のFは左Fキー。67~68小節の16分音符は、ダブルタンギング。シングルでは重くなるからね(もちろんFl、Cl、Saxも)。
譜例

■[J]Maestoso、テンポ指定4分音符=80。fff でいよいよ終盤。F 3つだけど息を入れすぎないように。冷静に音程ピタリ、美しい音色を保つように!

■[J]3小節目のHrn&A.Saxとユニゾン。2拍3連はマルカート。
譜例

■[L]最後にオーボエの「美味しい」ソロ~!クレッシェンド&ディミヌエンドは控えめでOK。Espressivo(表情豊かに)の意味と捉えよう。息の流れをスムーズにヴィブラートは控えめが良い。だんだん小さくしていくときに第2オクターヴのHの音程がぶら下がり気味になるなら、右中指&薬指をプラスすると改善できる。
譜例
ラストを飾れるオーボエ。カッコイイね。

【市原 満プロフィール】

トランペットを北村源三、北川晋、故金石幸夫の各氏に師事。80年東京芸術大学音楽学部別科修了。同年オーボエに転向。似鳥健彦氏に師事した後、81年ドイツに留学。ベルリンでハンスイェルク・シェレンベルガー(ベルリンフィル首席)、ミュンヘンで故マンフレッド・クレメント(バイエルン放送響首席)の各氏に師事。86年帰国後、多数のリサイタル、ソロコンサートを開催。NHK-FMリサイタル出演等ソロの他、木管五重奏団「アマデウス・クインテット」を主宰、活発に演奏活動を行っている。また全国各地で、吹奏楽コンクール、アンサンブル・コンテスト等の審査員や吹奏楽講習会、オーボエクリニックの講師を務める他、「バンドジャーナル・MANちゃんの木管アンサンブルの楽しみ(現在連載中)」の連載等執筆活動も行い、多方面で活躍している。
玉川大学芸術学部講師、尚美ミュージックカレッジ専門学校講師、日本オーボエ協会常任理事。

市原満公式ホームページ:http://ichihara-man.com/