スマートフォン版TOPへ

SHOBI NET-TV

吹奏楽と合唱のための「あすという日が」(指揮:八木澤教司、演...

吹奏楽と合唱のための「あすという日が」(指揮:八木澤教司、演奏:尚美ウインドオーケストラ)

震災復興支援のシンボルとして歌われ大きな話題になっている「あすという日が」を、作曲者・八木澤教司先生の協力のもと、SHOBI NET-TVで収録しました。ぜひお聴きください。

【ヴォーカル】村田千佳(ヴォーカル学科)
【指揮】八木澤教司(本学講師)
【演奏】尚美ウインドオーケストラ

 

作曲者・八木澤教司先生のコメント

はじめに東日本大震災で被災された皆様、それに伴ってあたりまえであった生活環境が変わられてしまった皆様に心よりお見舞い申し上げます。

この度「あすという日が」に関する多くの温かいメッセージ、お問い合わせを頂き心より嬉しく思っています。
ただ東日本大震災の被災を通して広がった、ということに心から喜んで良いのか...心苦しい気持ちも正直あります。
しかし、この歌が少しでも被災した皆様を勇気づけることができるのなら、それ以外の地域の心を痛めている皆様の支えになるならば、作曲者として感無量です。
改めて生命に満ちたメッセージのある詩を書かれた山本瓔子先生にも心より感謝しています。

5年前、大阪で開催された「第30回全日本合唱教育研究会全国大会」より始めて私は「合唱曲」の新作作曲のご依頼を頂きました。
これまでは出版社から依頼され書いたことはありましたが「実際に歌われる」ことを前提に合唱曲を書いたのは始めてのことでした。
難しい現代的な曲では無く、クラス合唱で親しまれるような歌を、中学生が希望に満ちた未来に夢をもてるような曲をと頼まれ、更には「吹奏楽と共に奏でられる爽やかなクラス合唱曲を!」というご要望もあり、ピアノ伴奏版と吹奏楽伴奏版と2ヴァージョンに相応しい詩を選ぶのに大変苦労したのを今でも覚えています。

最終的に以前、小学生用の合唱曲「一秒の短い言葉」を作曲した時にお世話になった山本瓔子先生の詩集を何冊も読み、それでも迷い悩んだ私は失礼を承知で今回のテーマをお伝えし思い切って山本先生自らに詩をご推薦して頂くようお願いしました。
なぜなら詩集の文字と紙から関節的に受けたイメージで作曲するのではなく、私はどんな気持ちで詩を書かれたのか山本先生のお人柄も含めて音を付けていきたかったからです。

私はメインの仕事でもある吹奏楽の作品を通して全国各地の中学・高校生たちに現場でお会いして来ました。
その時に必ずと言っても良いほど「どんなイメージで作曲したのですか?」と質問を受けます。
きっと吹奏楽も合唱もジャンルは違えど同じなのではないか、と思い、私は山本先生の詩だけではなくお気持ちも含めて作曲すべきだと思ったのです。
合唱界で全くの無名である私に対して山本先生は本当に丁寧な励ましのお言葉を頂き、更に3つの詩をご推薦くださいました。
その1つが「あすという日が」です。
詩の素晴らしさだけではなく励ましのお言葉を頂いたことで勇気が沸き、始めての依頼で不安であった私は理解者を得たような心強さすら感じました。
詩を読んでいると自然とメロディーは降ってくるようでした。このこの詩を生かせるよう、素直な歌にしようと1音1音心を込めて書き上げました。
もう5年前の懐かしい話です。(八木澤教司)

 

なお、2011年7月6日に、仙台市立八軒中学校 吹奏楽・合唱部のみなさんの歌う「あすという日が」のCDが発売になります。
このCDおよび配信による収益は東日本大震災の復興支援のために全額寄付されるそうです。