尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

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基礎力アップ講座

楽曲練習の前に準備すること/演奏のチェックポイント

能率アップのために。

■フルスコア

長く練習する曲なので、取り上げる曲のスコアは全員が用意したいものですね。パート譜だけでなく、スコアでお互いの動きを理解して演奏(練習)することはアンサンブルでも大切なことです。普段聞き逃しているパートの動きも聞こえてきます。また、合奏練習で指揮者が他のパートに指示している内容がより一層明確になり、アンサンブルのクオリティと練習の能率が向上することは確実です。曲を研究し、演奏に役立てるには不可欠ですね!フルスコアを見慣れていない人は、同じ声部や動きをラインごとにマーキングすると分かりやすいですよ。結構見落とされているパートが発見できます。

■コンデンススコア

ハーモニーや旋律の構造を分析し、作曲者がどのようにオーケストレーションを施したかを知るために必要です。特に旋律や伴奏が楽器間で受け渡しがある時には旋律や伴奏の元の形を把握することで、アンサンブルしやすくなります。特にフルスコアではわかりにくい自分のパートの声部を知るにはコンデンススコアが必要です。移調楽器の読み替えも(実音)容易になります。

■小節番号を通しでつける

練習の能率アップには欠かせません。「練習番号何番の何小節前から・・・」といって奏者が数えて始めるのと、「何小節から」でスタートするのではかなり時間の差がありますね!長い期間でどれくらいのロスになるか・・・一目瞭然です。練習時間は貴重です。こんなささいなことでも大きな節約ができます。しかし作曲者のつけた [A]・[B]・[C] や [1]・[2] 等の練習番号の意味は忘れずに・・・

■録音・録画機材

自分たちの演奏を客席で聴くことはできません。やはり練習(個人やパート、セクションも含めて)を日ごろから録音して聴くこと(モニターすること)によって、課題を客観的に把握し、次の練習に生かすことが大切です。指導の先生は時々VTRで練習中の指揮の様子を撮影してみてください。(生徒にごめんなさい!という反省点が必ず見つかりますよ)

■セッティングについて

アンサンブルのやりやすい配置が良いのは当然ですが、打楽器の配置には特に気をつけたいですね。小人数のときは管と離れ過ぎないことと音量のバランスに注意して演奏することがポイントです。打楽器は練習室で聴いている音量とはかなり違うはずです。また移動の多い打楽器は楽器自体の配置も重要です。打楽器はホールによってはひな壇の上にするか、下手に配置するかでもかなり違いますし、Cym.は客席に近いと大きくきこえる場合が多いので広い場所でのセッティングのリハーサル(体育館でも良い)は是非行ってください。もちろん管楽器にとっても音の伸び、バランス等を知る重要な練習です。

コンディションと練習計画がポイント...

いよいよコンクール、というとき一番困るトラブルは演奏する生徒(メンバー)が欠けることではないですね(演奏者がいないと音は出ない)
中学校・高等学校の先生にとっては毎日の学校での仕事の1つで当然のことかもしれませんが、演奏者の健康管理も実力です。練習に熱が入ってくると先生も生徒も精神的体力的ストレスの蓄積をつい忘れがち。最近の子供たちは特に(気力だけではフォローできない)注意してあげないと...。更に、学校で生徒指導上の問題等起こらないように校内の仕事も頑張りつつ、同僚の先生や父兄に連絡を密にして、コンクールの練習と本番に集中できる環境を作れると万全ですね。(言うのは簡単ですが、一番難しい)

また一般の部に参加するバンドは、4~6回の練習がおよそ一ヵ月前なので、練習計画をしっかりたてて、練習が自由曲だけあるいは、課題曲だけに偏らないようにすることが大切です。(当日の集まったメンバーで練習内容を考える必要はあるのですが)
中学校や高校では、本番1週間前位でもパート練習やセクション練習を回って先生の意志を伝えたほうが、かえって合奏の仕上がりが良くなります。焦らず。細かくみる時間を組みましょう。打楽器のセッティングなども本番では重要です。合理的か先生も実際その場で立ち会ってみてください。また練習で「歌」をとりいれることも効果的です。「ばて」から回復するとき等メロディを実際に歌う練習はお勧めです。

ここを注意しよう。練習のポイント最終チェック!

本番前でやれることは限られます。テクニック的にクリアできないことに時間を費やすより、テンポやピッチをあわせることなどアンサンブルの細部の仕上げや部分のつなぎ(テンポの変わり目など)をしっかりやることの方が効果的です。練習内容の精選も必要です。本番のつもりでリハーサルをして録音・録画で確認することも大切でしょう。また、1週間・10日前であっても明日本番のつもりで集中して練習すれば、課題をたくさん見つけられ、さらにやりたいこと、できることが増えるはずです。「練習は本番のように、本番は練習のように」です。また、最後の1日の練習意から本番までの流れを事前にしっかり確認しましょう。(特に本番前のチューニング室での(?)内容は演奏を左右しますね)

では、このコーナーの最後に、これを読んでいる皆さんに、私が時々確認しているチェックポイント集を紹介します。

演奏のチェックポイント[参考文献:『これからのスクールバンド(運営編)』/草思社より]

  1. [  ] チューニングがあっているか。
  2. [  ] 個々の楽器や全体が良い音で表現しているか。響きのある豊かなサウンドか。
  3. [  ] アインザッツはあっているか。発音は明瞭か。
  4. [  ] 正しいリズムで演奏されているか。
  5. [  ] アーティキュレーションの処理は適切か。
  6. [  ] 各声部や楽器間、パート内のバランスは適切か。
  7. [  ] ディナーミクのレベルを良く表現しているか。
  8. [  ] 音(息も)のスピード、距離感、響きはどうか。
  9. [  ] 音の長さ、リリースは適切であるか。
  10. [  ] 旋律は、適切なフレージングによって音楽的に演奏されているか。
  11. [  ] 奏法や音楽的要求に対する指示は具体的であるか。
  12. [  ] 曲のイメージをもたせているか。
  13. [  ] メロディとオブリガート、ハーモニー等音楽的なバランスは適切か。
  14. [  ] 計画的、効率的なリハーサルが行なわれているか。
  15. [  ] 練習に活気とユーモアがあり、生徒は生き生きとしているか。
  16. [  ] テンポキープはできているか。(メトロノームを有効に使用しているか)
  17. [  ] 音楽的な要求によるテンポ設定や拍子感は正確に表現されているか。
  18. [  ] 技術的困難を乗り越える練習方法を具体的に指示できるか。
  19. [  ] リハーサルや指示にスピード感があるか。
  20. [  ] 生徒に考えさせる場面を設定しているか。
  21. [  ] 合奏ばかりでなく、セクション、パートの練習を細部にわたってみているか。
  22. [  ] 時には、広い会場でのリハーサルを心がけて設定しているか。
  23. [  ] 他の人のアドヴァイスを受けているか。(意見の交流をもっているか)
  24. [  ] 様々な奏法を研究しているか。
  25. [  ] 打楽器の奏法、スティック、マレット等楽器や音色、バランスを意識しているか。
  26. [  ] コントラバスの奏法(ボーイング等)に注意を払っているか。
  27. [  ]  「どう聴こえるか」をいつも頭において練習しているか。
  28. [  ] 曲のもつ色彩感、場面による色(音色)の変化は生き生きと表現されているか。
  29. [  ] 曲のスタイルにあった奏法によって表現されているか。
  30. [  ] 生き生きとして音楽的な魅力の感じられる(感動のある)演奏になっているか。 

吹奏楽コンクールに向けての練習ポイント

  1. [  ] 録音、録画等で練習をできるだけ客観的にチェックしているか。
  2. [  ] 演奏時間は余裕があるか。(制限時間優先の不適切な速度設定は聴くに耐えない)
  3. [  ] パート、セクション練習を充実し、細部にわたって確実に技術・表現の定着を図っているか。
  4. [  ] ホール等でセッティング、音の伸び、響き、バランスを客観的にチェックしているか。
  5. [  ] 音楽的な内容を掘り下げてアナリーゼし(できれば複数で)積極的に表現しているか。
  6. [  ] 多くの人の意見をきいているか。(しかし最終的に自分の納得できる演奏をする)
  7. [  ] 一人よがりになっていないか。(=生徒が不幸(審査は客観的))
  8. [  ] 良い演奏(手本)を多数聴き、表現の幅を広げているか。

【佐藤正人プロフィール】
秋田県出身。武蔵野音楽大学でクラリネットを専攻。故松代晃明・千葉国夫両氏に師事。
昭和58年埼玉県川越市立野田中学校音楽科教諭として着任し、12年間音楽科の教職を勤める。同校吹奏楽部を全国有数のバンドに育てた。
平成3年度埼玉県長期派遣研修教員として、東京芸術大学大学院音楽教育研究室で山本文茂氏のもと研鑽を積む。平成7年4月よりSHOBI講師として着任。2006年全日本吹奏楽コンクール長年指揮者賞(15年)受賞。
現在、尚美ミュージックカレッジ専門学校客員教授、武蔵野音楽大学講師、埼玉県松伏高等学校音楽科講師、ノースアジア大学客員教授、川越奏和奏友会吹奏楽団・秋田吹奏楽団・ソノーレウインドアンサンブル音楽監督、21世紀の吹奏楽"響宴"実行委員。

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