尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2011年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

III. シャコンヌS(新実徳英)

パート別ワンポイントアドバイス(コントラバス編/講師・小室昌広)

野崎和宏シャコンヌという様式は、低音のパートは同じことを繰り返し、その上に様々な変化をつけるものなので、コントラバスパートは単純なパターンの繰り返しとなっています。

しかし、これが基礎となって、和音としても、また時間の流れとしても楽曲の重厚さが顕れてきます。これに似た好例としてブラームス作曲交響曲第4番の第4楽章を挙げることができます。これを聴けば、シャコンヌでのコントラバスの役割も理解できることでしょう。

シャコンヌでは和音が大事なので音程には細心の注意をはらいましょう。[2] では和音の移り変わりが前後の場面と違います。何がそれを生じさせるのか、考えて演奏に活かしてみましょう。

[4] でコントラバスに現れるリズムは、伝統的なシャコンヌの基本ステップです。1拍目を軽く、2拍目を重いアクセントで表現すると、古典的な表現となり面白いでしょう。1拍目の4分音符をアップ、2拍目の2分音符をダウンにするのも面白いです。

[5] では低音で音を保つパートが少ないです。かなり響きの豊かな音が求められます。力が入って身体が萎縮してしまうと楽器にうまく力が伝わりません。自分の身体を大きく見せるように姿勢をつくり、その姿勢から広がりのある音を拡散させるようにしてみましょう。

[6] ではフレーズの開始点で高いDの音をはじきます。この音のほうが強い印象を与えるべきなのですが。低いDの音を開放弦ではじくと響きが豊かでとても目立ってしまいます。いろいろな方法でバランスをとって演奏しましょう。

[8] 3小節前、CからC#への動きは重要です。C#が濃い音になるように。Cはそれに向かう表情を。

[9] 以降の2つの8分音符はスラーでつないでアップで弾くか、2分音符ダウンのあと再びダウンそしてアップとするか、どちらを選択してもよいでしょう。

[11] では、横線とスラーが合わさった表記があります。「一方向の弓の動きのなかでリズムを演奏する」と解釈すると、いろいろな表現方法が見えてきます。手を握り直したり、弓を揺らしても音の変化は得られます。その変化を利用してリズムを表現してみましょう。

[12] 1小節前、低音のEの音が、ここまでで現れてこなかった和音の響きを生み出します。深く表情してみましょう。

【小室昌広プロフィール】
1989年、東京芸術大学卒業。1992年同大学大学院音楽研究科修士課程修了。コントラバスを加藤正幸、永島義男の各氏に師事。L.シュトライヒャー、F.ポシュタ、F.ペトラッキの指導も受ける。作・編曲、指揮も手掛け、その作品は 東京交響楽団等で演奏されている。都内すべてのプロオーケストラでの経験をもち、東京ゾリスデンアンサンブル・オブ・トウキョウなどの室内楽団でも演奏す る。草津、倉敷、宮崎などの各音楽祭に出演。東京芸術大学及び尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。