尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2012年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

I. さくらのうた(福田洋介)

パート別ワンポイントアドバイス(パーカッション編/講師・渡辺由美子)

渡辺由美子8分の6拍子Andante Cantabile、木管とのアンサンブルで演奏するtri.は、ハーモニーの中に溶け込ませるような感じで、叩くというより奏でるイメージで演奏しましょう。楽器の近くにビーターをセットし、余動は心の中で取り、ビーターを動かし過ぎないようにしましょう。Piccoloと一緒に練習しておくと良いですね。響きのある音で楽譜に書いてある付点二分音符よりも長く演奏し、管楽器と同じように少しリリースしてから音の処理をしましょう。

7小節目からのGlock.は音域が低めの音ですね。打音よりも音程が見えるマレットを選択しましょう。 Timp.の p のロールは管楽器の響きに溶け込めるような音量で奏でましょう。

[A] からのGlock.は第二の指揮者です。バンドを引っ張っていけるように堂々と演奏できるように。
21小節目のGlock.は下からA♭、D♭、Fと演奏します。

[B] へつながるS.cym.のクレッシェンドは、木管をイメージしバンドに美しい響きを与えるようなクレッシェンドで。
Tamb.は鈴の鳴りを良く考えながらクラリネットとアンサンブルしましょう。
33小節目からのGlock.は管楽器のアーティキュレーションを楽譜に書き写し、同じように演奏できると良いでしょう。アーティキュレーションをつけると自ずと手順が決まってきます。例えば、38,39小節目などはL、R、Rとすると管楽器とアンサンブルしやすいでしょう。

39小節目のTimp.はCの音が dim. の流れから外れないように。W.chimeは、バンドの dim. を意識して演奏しましょう。
45小節目のB.D.はアタックよりも響きを大切に。
47小節目のTimp.の手順はL、R、L、Rです。ストロークはT、U、T、D、飾りを前に出しFの音が管楽器と合うようにしましょう。

[D] Tamb.はフルートのsoloのタイを明確にするイメージです。
61小節目からのTimp.はチューバとニュアンスを合わせておきましょう。Glock.は硬めのマレットで。

[F] のS.cym.は美しいクレッシェンドで、ジャスト[F] はアタックを付け過ぎずに。
74小節目Tamb.は軽く、頭の音が長いイメージで演奏しよう。

[G] のTri.は p ですが、ふくよかな響きでバンド全体を豊かにするような音で。
82小節目のTamb.は、バンドを引っ張りましょう。特に83小節目最後の八分音符、mf はTimp.を引き出す大切な音です。
84小節目のTimp.は一打叩いて p からロールし、その後S.cym.に受け渡します。

85小節目 S.cym.、合わせシンバルのイメージで。クレッシェンドは頂点が決まるように。
86小節目 w.chimeは、スピードを変化させてディミヌエンドを表現しても良いでしょう。
86,87小節目のブリッジが、[H] Cantabileへと上手く繋がるようにw.chimeは腕の見せ所です![H] に入ったらsoloやGlock.の伴奏になりましょう。

96小節目からは打楽器アンサンブルですね。パート練習では先ずタイミングを練習台など同じ音の場所で整え、その後各楽器の特徴を考えながら p の世界で演奏しましょう。口でカウントを(1)(2)(3)(4)(5)(6)と、言いながら練習することもお勧めします。Tri.の響きが長い時には一本の指で楽器を触りながら演奏する方法も良いと思います。

103小節目のGlock.は、Harpのように下の音からアルペジオで奏でましょう。
[ I ] スタートは管楽器とブレスを一緒に取ることが、大切ですね。
105小節目ラスト右手は、アタックを付け過ぎないようにしましょう。

108小節目、R、L、R、の手順で、ストロークはU、T、D、です。

112小節目Glock.は左手でグリッサンドの頭とラストを叩き(ストロークはD、U、 )右手で擦ります。右手の圧力を変えるとクレッシェンドに聞こえます。Timp.、[J] が左手に来るように工夫を。

117小節目のB.D.は、フォルテですが、硬さよりも深みのある音で。

119小節目の C.cym.、この曲ではこの一打だけ!自分の一番良い音でsoloと言うよりもハーモニーの中に音を溶け込ませる感じでありたいですね。

120小節目 Timp.のCは、ベースのアウフタクトを感じビート良く奏でましょう。この後ラストにも出てきますので、ここでCの音を感じて、良い音程で演奏できるように準備したいです。
123小節目 w.chimeは、音が花びらのように〈散る〉イメージを持って。

作曲者も述べていますが、皆に愛される「さくら」にイメージを重ね、感性に身を委ねたステキな演奏を目指しましょう。
Timp. 32,29,26,の3台でも可能です。

【渡辺由美子プロフィール】
静岡県出身。尚美ミュージックカレッジ専門学校、東邦音楽大学附属東邦高等学校、埼玉県立松伏高等学校音楽科打楽器講師。2002年高知国体音楽講師。
2006-07年バンドジャーナル誌ワンポイントレッスンを担当。ブレーン株式会社刊行Winds DVD「上達が実感できる“基礎合奏”」、「2007課題曲合奏クリニックDVD」「2008課題曲合奏クリニックDVD」、ジャパンライム株式会社刊行「中学生バンドの運営と音づくりDVD」、株式会社ユニバース刊行「吹奏楽サウンドアルバムDVD」の各打楽器指導及び監修。2009年Japan Band Clinic 打楽器講師。自ら主催するDiscussion of Percussion"Q21"では、天野正道 作品集「ストラトス4」のレコーディング、池野成メモリアルコンサートで「ディベルティメント」を初演する。日本打楽器協会会員。日本管打・吹奏楽学会会員。ソナー・ドラムス SQ2 クラシカルアーチスト。