尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

II. コンサートマーチ「光と風の通り道」(栗栖健一)

パート別ワンポイントアドバイス(サクソフォーン編/講師・中村均一)

中村均一場面毎に景色の変わる楽しい曲です。サクソフォーンのパートは金管と木管の橋渡しをしていますから、自分の音符がその時々にどちらに属しているか意識をするとバンド全体のサウンドが良くなると思います。

冒頭のリズムは3連符でテンポもそれほど速くはありませんので、テンポが転ばないよう注意をして、響きとアーティキュレーションをしっかり出しましょう。サクソフォーンはここでは金管と仲間です。

[A] のアウフタクトよりパッと木管のクラリネットとユニゾンになりますので、アルトは音色とバランスを木管用にコントロールしましょう。テーマの息遣いは8分 音符のスタッカートから付点4分音符へ向かい、リズムと拍子のアクセントからス~と抜けていくニュアンスが出せると素敵だと思います。テーマの二言目には シンコペーションになりますから上品にアクセントを工夫しましょう。

[B] からアルトは木管旋律と内声ハーモニー、テナーはトロンボーン、ユーフォニウム、バリトンはチューバと役割が分かれますのでそれぞれの性格をはっきり出すと立体感のある演奏になると思います。

[C] はテナーとバリトンが主役になって金管低音のサウンドに厚みを持たせます。アルトのリズムは重くならないようタイミングに注意しましょう。

[E] からのメロディーは音色と音程を合わせて美しいフレージングを聴かせましょう。限りなくpppで響きを磨き込んでゾクゾクするようなサウンドを作る事も可能です。アルトのテーマが美しく聴かせられると[H] からのテナーのオブリガートの効果が上がります。アルトとクラリネットの作った空気を更に磨き込むように絶妙のバランスを工夫して歌い込みましょう。フレーズ始まりのアウフタクトや4小節目、7,8小節目など主旋律に対しての合間をどう埋めるかがポイントです。

[J] は金管のファンファーレです。ホルンやトロンボーン、チューバになったつもりで華やかなサウンドを工夫しましょう。

[K] の再現されたテーマは以前のレガートに対してアタックを意識して性格の違いを出しましょう。フィナーレの迫力が感じられると良いですが、音色やピッチが乱 暴にならないよう注意をしましょう。1stアルトは上の和声になりますので不安定になりがちですがしっかりとピッチを捕まえて響かせると色彩感のある演奏 になると思います。

【中村均一プロフィール】
1983年東京芸術大学を卒業。同年、同大学同声会新人演奏会に出演。また、東京文化会館新人オーディションに合格。1982年にアルモ・サクソフォーン・クァルテットを結成。1986年第21回民音室内楽コンクール(現東京国際音楽コンクール室内楽)第1位を受賞。1988年、第9回、第10回、第 11回、第13回のワールド・サクソフォーン・コングレスに日本代表として出演。1999年のスイス・ロマンド放送交響楽団の日本ツアーに参加。また、東 京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団等、オーケストラのサクソフォーン奏者としても活躍している。NHK-FMフ レッシュコンサートやFMリサイタルには度々出演。これまでに、クァルテットやソロなど10数枚のCDをリリース。東京芸術大学、日大芸術学部音楽学科、 SHOBI各講師。