尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2008年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

II. マーチ「晴天の風」(糸谷 良)

パート別ワンポイントアドバイス(サクソフォーン編/講師・中村均一)

中村均一リズムのキャラクターが大切なマーチです。
冒頭よりとても細かいオーケストレーションがなされていますが、Cl.+Trp.、Sax.+Hr.、w.w.+Xylophoneと云う16分音符群の色をしっかり出して色彩を際だたせるとバンドの力量がアピール出来ます。

[A] からのメロディは1拍目の8分音符のスタッカートと2拍目の4分音符のシンコペーションのバランスを色々と工夫をして丁度良い音符の長さとアクセントの付 け方を研究すると演奏者のセンスも磨かれると思います。デモCDの大阪市音の演奏は参考演奏なので、わざと色が出ないように標準的な表現をしていますから 鵜呑みにしないよう気をつけましょう。CDはお手本では無いのです。

[B] からたった4小節ですが、大胆にもサクソフォーンだけにオブリガートを設定しています。他のパートにも随所にそう言う箇所が見あたられますから、この作者 の音色と編成へのこだわりが感じられます。是非演奏者もサクソフォーンならではのサウンドにこだわって練習をしましょう。

[C] から[D] にかけてはレガートとスタッカートのリズムの表現の対比が聴かせ処です。技術をしっかり磨いてそれぞれの表現のテクニックを際だたせましょう。

[D] からはなんとアルトを休ませてテナーにHr.とのオブリガートをやらせています。その為テナーは本当に伸び伸びと邪魔されずに表現出来るし、[E] からアルトが加わる事で立体感のある構成になっています。同じ事は[G]にも当てはまりますね。

そして、その代わりアルトには[F] からEuph.とFg.との長いソリが与えられていて、これもいままでの常識には当てはまらない斬新な書き方です。
こう云うオーケストレーションが薄いところを如何に聴かせられるかがこの若い作者からの課題だと思いますし、昨今のコンクールの常連校でも安易に楽譜に手を入れて音を厚く聴かせる事への警鐘ををならしているのかも知れません。

本当の所は判りませんが、いずれにしろ演奏者は是非この作者の思惑に答えるべく堂々とチャレンジをして欲しいと思います。

【中村均一プロフィール】
1983年東京芸術大学を卒業。同年、同大学同声会新人演奏会に出演。また、東京文化会館新人オーディションに合格。1982年にアルモ・サクソフォーン・クァルテットを結成。1986年第21回民音室内楽コンクール(現東京国際音楽コンクール室内楽)第1位を受賞。1988年、第9回、第10回、第 11回、第13回のワールド・サクソフォーン・コングレスに日本代表として出演。1999年のスイス・ロマンド放送交響楽団の日本ツアーに参加。また、東 京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団等、オーケストラのサクソフォーン奏者としても活躍している。NHK-FMフ レッシュコンサートやFMリサイタルには度々出演。これまでに、クァルテットやソロなど10数枚のCDをリリース。東京芸術大学、日大芸術学部音楽学科、 SHOBI各講師。