尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2008年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

IV. 天馬の道~吹奏楽のために(片岡寛晶)

パート別ワンポイントアドバイス(ユーフォニアム編/講師・齋藤 充)

齋藤 充この曲では、重要な場所でリップスラーを伴う動きが使われています。毎日リップスラーを練習するようにしましょう。曲の中で上手く出来ないスラーの箇所が あったら、そこだけを取り出して繰り返し練習して下さい。スラーを吹く際には、音と音の間でより多くの息を使うようにしましょう。さもないと、いびつなス ラーになってしまうので。

5小節目からはdolce(やさしく、甘く)とあります。口の中を広げてゆっくりの息を使い、豊かな響きの音を目指して下さい。

15 小節目からは、4小節フレーズを心がけて[B] に向かって下さい。16小節目に入る時に音が低くなるのですが、そこでテンションが下がらないように演奏しましょう。[B] からはleggiero(軽く)とありますが、スタッカートではありません。一つ一つの音にきちんと息が入っているかどうか確認しましょう。タイでつな がっている音の音価が短くなってしまったりテンポが乱れたりしないように気を付けて下さい。

36小節目([D] の5小節目)からは、スラーの位置に気を付けて下さい。スラーの最初の音をよい音で鳴らすように心がけましょう。

この曲では、甘いユーフォニアムの音色と、他の金管楽器のようなはっきりとした音色の2通りのサウンドが求められています。

[F] からと[L] からは、ホルン、トロンボーンとほぼ一緒の動きになっています。ユーフォニアムは響きが残りやすいので、他の楽器よりも短めに(かといって、短すぎず)演奏するようにして下さい。はっきりとしたアーティキュレーションで吹くように。

[G] からはsoliとなっていますが、あくまでもmf ですので、頑張りすぎないように注意しましょう。クラリネットとテナーサックスとの音色のブレンドを考えながら、無理のない良い音で演奏して下さい。

137小節目の16分音符は、ダブルタンギングを使って演奏するのが好ましいと思われます。4拍目に向かって息を入れていってください。

【齋藤 充プロフィール】
1977年福島県生まれ。1999年国立音楽大学卒業。卒業時に矢田部賞を受賞。1999年よりアメリカに留学、2001年ミシガン大学大学院修士課程修了。2001年よりノーステキサス大学大学院博士課程に在学し、現在博士論文作成中。
ユー フォニアムで1998年日本管打楽器コンクール、2003年フィリップ・ジョーンズ国際コンクール(フランス)、2004年レオナルド・ファルコーニ国際 コンクール(アメリカ)のすべてにおいて第1位受賞、トロンボーンでは2002年ニューヨークブラスカンファレンス金管五重奏コンクール第1位、2003 年国際トロンボーンフェスティバル四重奏コンクール(フィンランド)ファイナリスト等の受賞歴を持つ。国内外で多くのソロリサイタルを開催する他、読売新 人演奏会、ヤマハ金管新人演奏会、NHK-FMリサイタル、東京オペラシティ主催のリサイタルシリーズB→C、アメリカで行われたテューバ・ユーフォニア ムカンファレンス等に出演し、また東京交響楽団、ミシガン大学フィルハーモニーオーケストラ、ミュールーズ交響楽団、ノーステキサス大学金管バンド、各地 のアマチュアやスクールバンド等とコンチェルトを演奏している。ノーステキサス大学在学中には指導助手としてユーフォニアムと室内楽を教える。これまでに ユーフォニアムを三浦徹、渡部謙一、ブライアン・ボーマン博士、フリッツ・ケィンズィックの各氏に、トロンボーンをヴァーン・カーガライス、トニー・ベイ カー、デヴィッド・ジャクソンの各氏に師事。
2006年10月より日本に帰国してソロ活動の他、侍Brass、吹奏楽やオーケストラのエキスト ラ、室内楽演奏、管楽器と合奏の指導等で活動している。現在、国立音楽大学附属高等学校非常勤講師、KEI音楽学院講師、2008年4月より東京ミュー ジック&メディアアーツ尚美、国立音楽大学非常勤講師。