尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2008年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

IV. 天馬の道~吹奏楽のために(片岡寛晶)

パート別ワンポイントアドバイス(トロンボーン編/講師・郡 恭一郎

郡 恭一郎この曲も全体に3rd トロンボーンの音域が高めですが、時にバストロンボーン的な深めで幅の広い音も求められます。よく工夫をしてみて下さい。

[A] からは、その前の雰囲気を十分感じて、違和感なく入りましょう。完全4度や完全5度が綺麗に合っている事、ドルチェの色や雰囲気が上手く出ていること。全 体の中での音質やバランスが違和感ない事など、色々とチェックポイントは有ります。スラーは各自が一番綺麗に出来るリップスラーの様に全体が聴こえること が大事です。場所によってはレガートタンギングを使いますが、発音は「DA」か「LA」が良いと思います。一番綺麗なリップスラーと出来るだけ同じ様に聴 こえるよう、丁寧に練習を重ねましょう。

15小節目の形はテンポを決める重要な役割です。バランスやタッチに気を付けつつ、指揮者の要求 に全て応えられるようにしましょう。ハーモニーも配置を含め、やや複雑なので、音質やバランスにも気をつけて一発で綺麗に合うまで十分練習しましょう。勿 論和音分析もきちんとやりましょう。

16小節目の1拍目と2拍目の長さの吹き分けはやりますが、わざとらしくならないようにしましょう。18小節目は[A] の部分の締めくくりとして、しっかり目に決めましょう。

[B] のleggieroのニュアンスはアルト・サックス2nd やテナー・サックスとよく合わせましょう。メロディが歌いやすいようにバランスに気を付けながら少し景気を付ける様な感じでしょうか。

[C] の部分はアーティキュレーションや音量の変化、場にそぐうニュアンス、音色やスピード感など色々な事に気を付けながら丁寧に仕上げて行って下さい。2nd も3rd も1st と同じ力量が求められます。28小節2拍目のアクセントが1st → 2nd → 3rd に目まぐるしく移る所も見逃せません。29小節目からの2拍3連的な部分は正確に、他のパートとマッチしていて躍動感や立体感にも気を付けましょう。

41小節目の3rd は歌心を大事に。音量の変化も上手に、勿論良いスラーで。また、1小節前に有る低音のメロディを良く聞いて受け継ぐ事も大事です。46小節目からのベルトーンも大事ですね。

[F] からは50小節目の2つ目の音位までは決然としっかり音量を保って吹きましょう。意外にセクションとして目立ちます。抜かりなく練習しましょう。

[G] からの10小節間も主旋律ではないですが、透明感の有る美しい音、クリアで綺麗なタンギング、美しいハーモニーなど気が抜けません。70~71小節は、 fp やクレッシェンド、山型アクセントなど忙しいですが、かっこ良くバッチリ決まるように、録音などで確認をしながら仕上げて下さい。

96~97 小節はこのアーティキュレーションはトロンボーンだけがやっていて、しかも意外に目立ちます。趣味の良いニュアンスと綺麗なハーモニーとタッチ等を出しま しょう。ラスト7小節からラストまでは息切れせず、ダイナミックさや鮮やかさ、テクニカルな面白さ、響きや和音の充実、などなど、色々チェックし、充実し たセクションの仕事が出来るよう、頑張ってください。

【郡 恭一郎プロフィール】
シエナ・ウインド・オーケストラ トロンボーン奏者及び理事。ムジカ・ムンダーナ・トロンボーンアンサンブル所属。日本トロンボーン協会常任理事。クラシックからジャズまで幅広い分野にお いて活動中。桐朋学園高校/大学音楽学部卒業。フランスでも学ぶ。第1回日本トロンボーン・コンペティション4重奏部門第1位。日本吹奏楽学会賞受賞。井手茂貴、三輪純生、小田桐寛之、神谷敏、イヴ・ドゥマール、向井滋春、鍵和田道男各氏に師事。
(※ 2008年時のプロフィールです。現在はSHOBI では指導されていません。)