尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2010年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

IV. 汐風のマーチ (田嶋 勉)

パート別ワンポイントアドバイス(コントラバス編/講師・小室昌広)

野崎和宏(解説内では、ボウイングの記号を、n→ダウン、v→アップで表記します。)
(ブラス・マーチに関する新しい提案は「II.オーディナリー・マーチ」を参照してください。)

1小節目に現れるリズムはn n vの弓順で弾きます。36・37小節も同様です。付点8分音符で跳ねる音を作り、次の16分音符の準備に早く入りましょう。

前 半では拍を刻む動きが8分音符で、[H] 以降は4分音符で記されています。音楽の表情に対応して区別されていると考えましょう。8分音符は鋭く、旋律の軽さに合う音を作ります。4分音符では音楽 の拡がりに合わせて、全体の響きを支える重厚な音を作ります。いづれの場合も、音楽の推進力は速い弓の動きにより変わってきます。他の低音管楽器では作り にくい「音の速度感」を演出できると、全体の音楽の躍動感が変わってくるでしょう。

[B] 5・6小節はともにn vn と弾きます。6小節目頭では弓を元に戻します。弦に響きが残ったまま弓を戻せると良いでしょう。弓を弦に押さえ付けると、弦の振動が止まってしまいます。 vは弓が上がってしまうくらい跳ねると次のアクセントが活きます。7小節目も改めてnで弾きはじめましょう。

[C] 及び[D] の低音の旋律は堂々とした音で、一音一音に次に来る音に至る必然性を感じる抑揚を作りましょう。2小節目8分音符4個は改めてnから弾きはじめます。

長く伸ばす音符のあとは、改めて弓を元に戻してnで弾くほうが、音楽の躍動感を失わずに演奏出来るでしょう。

38・ 48小節はnnvvnvnvと弾きます。同一方向で複数の音を弾くときには、その間に弓が静止する瞬間が必要です。このため弓が単純に往復する後続の音に も、弾きおわりに弓の静止があれば、音に統一感が出ます。また、歯切れの良い奏法を手に入れることが出来るでしょう。

[J] 1小節目と5小節目では、n vnv(n)v と、8分休符にもnを記して、弓は音が出ているかのように動かすが音は出さない動きを作ると、演奏に伴う運動が安定して、勇ましく、確実なリズムで弾くことが出来るでしょう。
[N] 3小節目は途中でvに返してしまいましょう。

【小室昌広プロフィール】
1989年、東京芸術大学卒業。1992年同大学大学院音楽研究科修士課程修了。コントラバスを加藤正幸、永島義男の各氏に師事。L.シュトライヒャー、F.ポシュタ、F.ペトラッキの指導も受ける。作・編曲、指揮も手掛け、その作品は 東京交響楽団等で演奏されている。都内すべてのプロオーケストラでの経験をもち、東京ゾリスデンアンサンブル・オブ・トウキョウなどの室内楽団でも演奏す る。草津、倉敷、宮崎などの各音楽祭に出演。東京芸術大学及び尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。