尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2011年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

IV. 行進曲「希望の空」(和田 信)

パート別ワンポイントアドバイス(パーカッション編/講師・渡辺由美子)

渡辺由美子8分の6拍子のマーチ。楽器もシンプルですね。ただ、シンプルだからこそ、先に起こる音楽を予想できるので、良い意味でその予想を超えた演奏を期待したいと思います。

先ずは、付点四分音符=116のテンポで基礎練習を行います。特に、S.D.やTimp.などのロールが出てくる楽器は音符とロールの切り換えを良く練習しましょう。

マーチはそれぞれの楽器が音質、音色を考えタイミングやバランスに配慮しながら演奏します。打楽器セクション全体としては、バンドに推進力を与えられるように。しかし、あくまでも伴奏なのだという意識を持って強弱記号も解釈しましょうね。
Glock.は、左手からトリルします。トリルの音は、フルートやクラリネットと同じですね。4小節目の装飾音符は、右手からR,L,R,と、演奏すると良いでしょう。

その他の作曲者も言っていますが、2拍子のなかでも八分音符のビートを裏で感じることが鍵となるでしょう。
B.D.は、管楽器の音の長さをイメージして [四分音符+八分休符 を表現しましょうね。

[F] S.D.は、少し難しいですが、全体のディミヌエンドを崩さぬように、流れを意識した手順と奏法で演奏しましょう。
[G] ラフ ラフ(課題曲IIを参考)は、L、L、Rの手順で、長いフレーズを意識し演奏します。

TrioからB.D.は、八分音符ですが、短いと言うよりは軽い感じで。表の革をツンツンと叩くと言うよりは、打点のスピードを意識して摘む(?)ようなタッチで。

103小節目では,表の革をドゥーンとダウン奏法で叩くと103,104小節目のブリッジも生きてくるでしょう。四分音符 になっても重くならずに低音楽器を包み込むような音で表現できると良いですね。
C.cym.は、全体を通して明るいサウンドで、刻みはバランスで言うとB.D.よりも大きくなり過ぎないように注意しB.Dの流れにC.cym.が重なっているように演奏します。

アクセントがある音も、アタックを付け過ぎずに役割を考えその音を表現しましょう。
[ I ] からのGlock.は、テンポ良く演奏出来る手順で演奏しましょう。

マレットは、響きよりもリズムの輪郭がでる硬めのマレットで演奏すると、濁りが気にならないと思います。
Timp.は、オプションになっていますが、是非入れて欲しいです。この曲は、32,29,26の3台で演奏できます。

行進曲では、打楽器が第二の指揮者と言われています。フレーズを大きく捉えながらもテンポをキープし、バランス良くセンス良く演奏して欲しいと思います。

【渡辺由美子プロフィール】
静岡県出身。尚美ミュージックカレッジ専門学校、東邦音楽大学附属東邦高等学校、埼玉県立松伏高等学校音楽科打楽器講師。2002年高知国体音楽講師。
2006-07年バンドジャーナル誌ワンポイントレッスンを担当。ブレーン株式会社刊行Winds DVD「上達が実感できる“基礎合奏”」、「2007課題曲合奏クリニックDVD」「2008課題曲合奏クリニックDVD」、ジャパンライム株式会社刊行「中学生バンドの運営と音づくりDVD」、株式会社ユニバース刊行「吹奏楽サウンドアルバムDVD」の各打楽器指導及び監修。2009年Japan Band Clinic 打楽器講師。自ら主催するDiscussion of Percussion"Q21"では、天野正道 作品集「ストラトス4」のレコーディング、池野成メモリアルコンサートで「ディベルティメント」を初演する。日本打楽器協会会員。日本管打・吹奏楽学会会員。ソナー・ドラムス SQ2 クラシカルアーチスト。