尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2012年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI講師陣による課題曲講座

 

V. 香り立つ刹那(長生 淳)

パート別ワンポイントアドバイス(トランペット編/講師・本間千也)

本間千也

とっても難しそうな曲ですね!

まず、この曲を練習するにあたって、全員が自分用のスコアを持つことを強くお勧めします。自分の音符が他とどう絡んでいるのかをきちんと理解していないと、この曲は自分のパート譜を見るだけでは演奏ができません。音符やリズムだけでなくフレーズの連携やダイナミクス・ニュアンスなども、スコアを見ることによって合奏の中での自分の役割りがきっと見えてくるはずです。

作曲者が楽曲解説に「楽譜から先のところでもっと競う」と書かれていますが、まずは楽譜をデジタル的にきちんと解読することをしたうえで、リズムや音程・音価・ダイナミクスを合奏体としてメカニカルに演奏が出来るようにしましょう。そして、出来上がったデジタルで無機的な合奏をアナログで有機的な表現へと成長させていけるとよいですね。

ダイナミクスの指示が非常に細かいです。とくに ppmp の弱奏の範囲内での cresc. dim. を大切にしましょう。fff はトランペットにとっては簡単なので、弱奏の力任せでない繊細なコントロールが非常に問われる楽曲です。とくに9~12小節は ppmf の範囲内での発音と表現が難しい箇所です。

弱音から始まってcresc.する箇所が非常に多いです。日頃から強いアタック任せの発音をしていると弱音での発音が非常に困難ですので、タンギング無しで小さい音が出せるように基礎練習してみましょう。

タンギングしないで音を出してみて「fu」などと最初に空気の音がする人は、きっと弱奏の発音が苦手なはずです。「pu」と軽く閉じた唇が弱い息で弾かれて音が出るような発音、ドライではなくウェットなイメージの発音をタンギング無しで練習してみましょう。

それに軽く舌を添えて、「tu」よりも「nu」という発音で演奏できると、弱奏での柔らかく静かな発音が出来ますので、お試しください。

タンギングや発音に関しては、私のホームページで詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧下さい。
http://www.trp-homma.com/page023.html

【本間千也プロフィール】
1970年新潟県佐和田町(現:佐渡市)生まれ。13歳でトランペットを始める。佐 和田中学校・新潟県立佐渡高等学校・東京コンセルヴァトアール尚美(現:尚美ミュージックカレッジ専門学校)卒業。尚美在学中、東京ジュニアフィルハーモ ニックオーケストラに入団。1995年、アジアユースオーケストラのツアーに参加。
1997年、シエナウインドオーケストラに入団。 2007年6月~2008年3月、神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別契約団員。2009年1月、東京佼成ウインドオーケストラ入団。
他 には、 VIVID BRASS TOKYO(ブリティッシュスタイル金管バンド)、THE BRASS(金管8重奏)などの室内楽、ミュージカル、オーケストラ客演、ソロ活動、スタジオ録音などの多彩な演奏活動を行っている。尚美ミュージックカ レッジ専門学校 非常勤講師。神奈川大学吹奏楽部、青山学院大学学友会吹奏楽バトントワリング部トランペットトレーナー。
トランペットを杉木峯夫(東京芸術大学教授)、津堅直弘(元NHK交響楽団首席Tp奏者)、Edmund Cord(インディアナ大教授、元イスラエルフィル首席Tp奏者)の各氏に師事。室内楽を、稲川榮一(Tuba奏者)、佐野日出男(Tuba奏者)の各氏に師事。