尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のすべて

SHOBI 講師陣による課題曲講座

 

V. きみは林檎の樹を植える (谷地村 博人)

パート別ワンポイントアドバイス(クラリネット編/講師・大浦綾子)

大浦綾子内面的でとても世界観のある曲です。音源を何度も聴いて、まずは奏者一人一人が明確な曲想を持ち、曲の世界観に浸って演奏できることが大切です。自分の楽譜を正確に吹くことはもちろんですが、どのような発音が必要か、どのような音色が必要か、どの程度のクレッシェンド・デクレッシェンドで吹くのか・・・など、たくさん研究しなければなりません。その為にも、一人一人がスコアを持つことをお勧めします。
まず、冒頭3小節目の1st Cl.は、AltoSax.、Fg.の音型を引き継いで一つのフレーズになる意識を持ってください。5小節目から3小節間は、各パートの音の重なりで一つの大きなクレッシェンド・デクレッシェンドになっていますから、各パートは自分のダイナミクスを守りつつ、吹き終わるときに勝手に遅くなったりしないように正確なテンポで吹きましょう。
[A]からは作曲者がザワザワした騒音のような響きを要求していて、縦の線は揃う必要はありません。…と言われても私達は揃える習慣しかなく、騒音のように吹けるほど音符が細かくはないので、ここの表現は難しいところです。少し発音をぼやかして、一人一人がルバートするように吹くと感じが出ると思います。
[C]の5小節前からは、アクセントの位置がパートによって違っていますから、自分の楽譜を正確に吹いてください。ここではアクセント以外の音は弱めに吹くといいでしょう。最後に残る3rd Cl.は重要です。エコーのようになるといいですね。
[D]の4小節前2・3拍目の1st Cl.は非常に難しい音型です。替え指をいろいろ試して、やりやすい指使いを見つけてください。一つの参考として次のような指使いもあります。
譜例1
[D]の8小節目からのEsCl.はソロだと思ってしっかり鳴らしてください。[E]からはppで発音の揃いにくいところですが、各小節の音の入りを必ず揃えましょう。
[F]の1st Cl.もソロのつもりで歌いこんでください。

【大浦綾子プロフィール】
武蔵野音楽大学卒業及び東京芸術大学大学院修了。在学中、東京文化会館推薦音楽会 に出演。第55回毎日音楽コンクール(現:日本音楽コンクール)クラリネット部門入選。第6回日本管打楽器コンクールクラリネット部門第2位入賞。 1990年フランスに留学。 1992年パリ12区コンセルヴァトワールを審査員全員一致の1等賞を得て卒業。帰国後、第9回日本管打楽器コンクールクラリネット部門第3位入賞。第 63回日本音楽コンクールクラリネット部門入選。2001年より東京佼成ウインドオーケストラ クラリネット奏者。