尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

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課題曲のすべて

IV.行進曲「道標の先に」(岡田 康汰)
<課題曲4>クラリネット編

パート別ワンポイントアドバイス(クラリネット編/講師・中村めぐみ)

中村めぐみ曲に取り組むと同時に奏法を整え、基礎を見直す時間を常にもつようにしてください。身体も楽器の一部と考えてアンブシュアや構え方が安定するように組み立て、タンギングのノイズがないか、一つの音の中で音程が動いたりしていないかなど、素材を磨くことは、成功の大きなポイントだと常に思います。

冒頭は、前打音の後に到達した8分音符が金管などの冒頭のハーモニーにはまるように吹いてください。

曲を通じて常に、スネアのリズムを取り込みながら演奏することがとても重要です。
スネアが居なくなるところもスネアのリズムをイメージして吹きましょう。

[A]からのメロディですが、解放の記譜Gの音は、Cl.の中でも不安定でブレンドしにくいことがよくあるようです。また、音の輪郭もぼやけることもあるので、空いている下管のトーンホールをどこか閉じて、音程と輪郭を作ってください。どのトーンホールが効果的かは、機種によっても、個体差的にも違うので、一人一人が一番艶のある良い音程になる指を探してください。
また、Cl.同士で合ったとしても、さらにSax.とのバランス、ブレンドにも気を配りましょう。まずはCl.で固めてから、さらに工夫してください。

そして、[A]からのB.Cl.も、スネアの進行力をまとわせながら、Bar.Sax.、Tuba、St.B.とともに8分の6拍子の持つビート感が生きるよう、とくに4分音符の丸め方を丁寧にするようにしてみてください。

[B]からのA.Cl.は、T.Sax.とEuph.をピックアップして聴き、一体感のあるオブリガートを作りましょう。その後もパートナーが変わることもありますが、どの楽器と共同でオブリガートを作るかを耳で探して吹ましょう。とても重要なモチーフです。

[C]からのCl.のモチーフは、B.Cl.や金管のメロディが生きるよう、メロディよりも音が長くならないように軽く刻みましょう。9小節目からも、高音木管のメロディより短くする意識を持つと軽やかになると思います。レガートの息で、舌で長さを管理してスタッカートを美しく作ってください、顎が動いたり、舌の正面が上下に動き過ぎたりしないようにすると良いと思います。

[E]の4小節前の8分音符は、ハーモニーの色が見えるように重ねましょう。「長く」という意味ではないですが、音程の見えない打音のようにならないよう工夫してください。
また、このことは、[F]からの4小節間も同様です。

[G]からは、ユニゾンを澄んだものにした上で、T.Sax.の音の色をイメージしてブレンドしてください。

[H]からはパートナーが増え、Ob.やSax.、Trp.などの華やかさに色が変化します。Cl.の音色そのものもイメージを、変えられると効果的だと思います。

[I]からのE♭ Cl.、Cl.のトリルは、色んな考えがあるかもしれませんが、私は、2小節目の頭で止めて、トリルなしの4分音符にして、拍子感を出すのがいいのではと考えます。その後も同様です。

[I]の9小節目のCl.、A.Cl.のハーモニーは、この形で色を示すのは、このメンバーだけなので、パートでのまとまったハーモニー感をきちんと作るべきだと思います。そしてスネアがいなくなるので、テンポが緩む恐れがあります。長い音の中にもスネアのリズムを埋め込んで緩まないよう気をつけましょう。

[J]からのメロディ、やはりスネアを取り込み、マルカートに変化したことを明確に示すつもりで吹きましょう。そして[K]ではffに発展しますが、音量の発展だけでなく、[K]の3小節目以降にみられる旋律そのものの中の新しいアイディアの変化をよく強調して、成長させるイメージを持ってください。アクセントのあるリズムとないリズムの音の密度の差、発音の重力の変化を細かく丁寧につけると、とてもメリハリがつき、生き生きした演奏になるのではと思います。

色んなパートの持つモチーフを寄せ合って、8分の6拍子のマーチの様式感を作り上げられれば、成功、と言えるかもしれません。
4分の2拍子の3連符(やや直線的)と、8分の6拍子の8分音符3つ(円、球体)は、喋り方が違う、ということを体感してほしいと思います。
また、特にマルカートのメロディは、フレーズ感がブツ切れにならないよう、全てを同じ深さのビートで、その場で飛び跳ねてる印象にならないことを願います。

頑張ってくださいね。

【中村めぐみプロフィール】
東京藝術大学器楽科卒業。第八回ヤマハ新人演奏会、同大学同声会新人演奏会出演。シエナ・ウインド・オーケストラ入団。ほか、オーケストラ、ミュージカルオーケストラ、室内楽、ソリスト、スタジオワークなどで、活動を続ける。東京クラリネットアンサンブル、東京クラリネットフィルハーモニー、シエナ・クラッツのメンバーとしてライブ、CDレコーディングに参加。シエナの公演、CDで多数コンサートマスターを務める。

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