尚美ミュージックカレッジ専門学校 管弦打楽器学科
管弦打楽器学科[2年制]
音楽総合アカデミー学科管弦打楽器コース[4年制]

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課題曲のすべて

IV.行進曲「道標の先に」(岡田 康汰)
<課題曲4>天野正道&大井剛史 両氏による対談

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天野:8分の6拍子のマーチです。♩.=126って、若干速めですよね。

大井:そうですね。装飾音があったりして、意外とテンポの中で処理しきるのが大変です。

天野:意外といろいろ落とし穴のあるマーチですよね。冒頭の装飾もそうですよ。

大井:はい。

天野:2小節目のアクセント、6/8拍子の中の強拍・弱拍のニュアンスを守ればちゃんと出るように書いてるじゃないですか。ちょっとしたアクセントも重心の掛かり方、ニュアンスとかでガラッと変ってきちゃうだろうから大切ですね。

大井:たくさん出てくるアクセントを、凄く大切なアクセントと、流れの中で軽くつけるアクセントに住み分けないと、全部同じようにやったら5~8小節目が凄く重くなっちゃうだろうな...。

天野:確かに。特にこの7小節目なんて必要以上にアクセントを付けちゃうと重くなりますね。

大井:こう書く意味は解るんですけどね、奏者側がすべて同じアクセントだと思って演奏してしまうと、拍子感が失われるというか...。

天野:1拍子になっちゃうんですよね。これなんかも、コンデンススコア見た方が解りやすいですよね。他の曲ももちろんですけど、ぜひコンデンススコアを研究してください。

大井:でもこういう譜面ってたまにあって、この間「パリのアメリカ人」を演奏したんですけど、やっぱり書いてあるアクセントすべてをしっかり強調すると流れが悪くなる部分があって、その個所に関しては「音楽のノリ」だと思って演奏しないとおかしなことになっちゃう。

天野:ありますね。ガーシュウィンの場合は、クラシックの奏者にジャズのニュアンスが伝わるように書いているわけだから、いわゆる通常のアクセントとはちょっと意味合いが変わってきますよね。

大井:このマーチも、1~4小節目にあるようなアクセントと、5~8小節目のものは違いますよね。どのアクセントが一番大切なのかは...。

天野:読み解かないといけませんよね。

大井:はい。

天野:6/8拍子、日本人の苦手な拍子と言われています。ちなみに大井さん、馬に乗ったことありますか?

大井:いえ、ないです。

天野:ぜひ乗ってみてください! ギャロップとか6/8のマーチは、乗馬の経験があると捉えやすくなるんですよ。そのビートがしっかり出れば、メロディーラインの乗っけ方も簡単に見えてくるだろうし。

大井:「ワシントン・ポスト」くらいやってみたら、ねえ。

天野:ええ、ぜひやってほしいですよ。6/8のマーチ。真島さんの「五月の風」も名曲です。高橋 宏樹さんの「勇気のトビラ」とかもいいね。

大井:岡田さんの世代は、もうそこなんですね。

天野:そうなんですよ。きっとワシントン・ポストよりも馴染みが深いのでは。

大井:保科 洋さんの「カンティレーナ」じゃないんですね。

天野:あー、はいはい(笑)。


天野:それから、「タッタ・タタタ」のリズムが打楽器に出てきますけど、何も考えずに両手交互に叩くと、小節頭が右手になったり左手になったりして安定しないんですよ。いろいろなやり方がありますけど、例えば、「右右-左右左」という手順で演奏すると、小節頭が必ず右手になるので、安定するでしょうね。

大井:そうか...。

天野:[A]から8小節のバッキングがトロンボーン、その次がホルンになるじゃないですか。同じmpの世界なんだけど...。

大井:全然聴こえ方が違いますね。

天野:そうですよね、ここは気を付けないとね。課題曲の場合、大編成になると、ホルンセクションで3声を組む時に大抵2nd・4thを重ねてありますよね。これ、上手い団体が演奏すると、かえってバランスがおかしくなっちゃうんですよ。2nd・4thが大きく聴こえちゃって。

大井:ああ、なるほど。

天野:だから上手いバンドほどバランスを考えないといけないですね。


天野:ああ、それで今日大井先生にも訊きたかったんだけど、メロディーのフレージング、15小節目から16小節目にかけて、タイで繋がってるじゃないですか。まあマーチでこういうふうによく書くんだけど、タイの後ろの8分音符ぶんの音価をしっかり伸ばしちゃったら変じゃないですか。マーチの不文律で、こう書くにしたって次の小節の拍頭で切るじゃないですか。これを「ちゃんと音価分伸ばさないと」って指導される方もいるわけですよ。そうするとマーチになんないわけ。

大井:カラヤンみたいですね。

天野:そう(笑)。やっぱりマーチのスタイルを知らないと、ちょっと変わった解釈になっちゃうことがあるんですよね。

大井:次の1拍目を認識することは必要だと思いますけど...あとは音をどう離すかですよね。本当言うと、[A]の4小節目の音価も、本当にこの通りにやると、かなりしっかり伸ばすことになって...こうやって"カラヤン・レガート"が出来上がっていくわけですね(笑)。

天野:マーチのスタイルにおけるフレージングって言うか、フレーズ感の出し方とその音の長さは大切ですね。特に6/8拍子ってそういうニュアンスが変わるじゃないですか。2/4よりも8分音符の長さが短いわけだから。

大井:でも難しいのは、[A]の4小節目を大きな2拍目頭で切って良いかというと、そうじゃないところが...。

天野:練習しすぎるとそうなるところが多そうです。だから、フレーズのおしまいの処理じゃないですか、大切なのは。私はよく講評に書くんですけど、「頭は揃ってるけど、お尻がだらしない」って。結構そういう団体多いんですよね。

大井:日本語は語頭にアクセントがきますからね。意識が頭にばかり向きがち。

天野:マーチの不文律、今の若い方はご存知ない方も多くいらっしゃるので、ぜひいろいろ聴いて勉強して欲しいですね。


天野:[B]の2小節前から2小節間、イントロにもあったちょっとしたバンプが付いていて、8小節形式じゃなくなってるんですよね。面白い作り方になってますね。あとは[B]からまた典型的な課題曲マーチの書き方ですよね。対旋律が入ってきて。

大井:この[B]の前を違和感なくやるためには、ちゃんと[B]の4小節前からフレーズをとってないと...。

天野:とって付けたように聴こえちゃうんですよね。

大井:ええ、ええ。

天野:気を付けないといけない所ですよね。そして[B]から、対旋律が入ってきたのはいいんだけど、最後でほら、メロディーとユニゾンになっちゃってますね。

大井:あー...。

天野:ここだけバランス的に出ちゃうわけですよ。どうしても。まあね、しょうがないんだけど。

大井:そうすると、これはどうすればいいんだろう...?

天野:やり方としてね、よくやるのは、例えば意図しない連続8度が出た場合、ちょっとだけバランスね、対旋律を弱くしちゃうんですよ。ほんのちょっとだけ。そうすると、意外と自然に聴こえてくるんですよね。

大井:ここは元から、ユーフォニアムが朗々と吹かなければ、それほど聴こえないですよね?

天野:ただやっぱり、テナーサクソフォーンもやってて、ある程度対旋律として聴こえてくるわけですから、そのままで行っちゃうと、サウンドがぐにゃって捻じれるって言ったらいいのかな、そうなっちゃうんですよ。そういう時は下の声部を少し丸くしてあげれば、捻じれが少し少なくなると言うかね。プロの皆さんなら自然と調整しちゃうんですけどね。

大井:そうなんですよ。ほとんど本能でやってますよね。

天野:だからちゃんと聴こえるんですよ、プロが演奏すると。そこが面白いなあって。以前、とあるプロのバンドで課題曲マーチの初見合奏をしたとき、最初はやっぱりぐちゃーっとした響きになったんですよ。それがトリオ過ぎたあたりからは、みんな本能的に切り替えて、響きのバランスを取り始めるんですよね、プロだから。


天野:[B]の9小節目、ホルンとトロンボーンの音域が全く同じなので、トロンボーンがちょっと我慢しないとホルンが聴こえないかもです。それから第2マーチに入るアウフタクト、ffだけどこれも意外と聴こえないんですよね。

大井:どうしてここは1stトロンボーンがないのか...。

天野:ねえ、どうしてでしょう。おそらく、[C]の1小節前が跳躍が大きくなっちゃうから配慮されたのかな。そんなに難しくないようにも思いますが...。

大井:(2ndの)CからAならいいのか、Dならどうなんだ、Eはダメなのか...(笑)。これは(1stの人が2ndや3rdのパートを)吹いたらコンクールでは失格になりますか?

天野:パート内の人数配置変更は自由らしいから、1stの人も2ndを吹いたことにすれば大丈夫じゃないかな。[C]の前のトロンボーン、ベースラインと2オクターブ離れてますね。前後関係を考えると、[C]の4小節目のffはまだ鳴らしすぎない方がいいのかなあ...。

大井:[C]のところは上の声部が華やかなので、テーマが聴こえづらそうです。

天野:そうなんですよ、だから1stトロンボーンが入ってくれるだけでだいぶ変わるんですけどね。

大井:ただその前のダイナミクスの書き方が...([B]9小節目の)ホルンがmpになったときに、周りが...どうなってるんだ?

天野:周りはmfですね。ベースラインもmf。でもバスーンだけがmp。ちなみにこの曲、バスーンはずっとベースラインですね。バスーンってテノールの楽器だから、対旋律やったら絶対美味しいのにね。このテナーサクソフォーンとユーフォニアムのラインをバスーンにも吹かせたら最高に美味しいとこなんですよ。つなぎにもなるし。

大井:でも、ここの対旋律はあんまり聴こえると...。

天野:まあね(笑)。

大井:ホルンもmpでは聴こえにくい気が...でもトロンボーンはさらにpか...。うーん、まあメロディーが聴こえればいいのかな。

天野:なんかそういう感じになっちゃうんですよね。

大井:実際、それが割と違和感なかったりする。

天野:[C]の4小節前、ffになっちゃってるところがちょっとね。

大井:低音、打楽器はfなんですよね。

天野:そうなんですよ、上の声部もfになっていれば、[C]のアウフタクトからのffが活きてきたんだろうけどね。まあ解決策としては、[C]の4小節前はメロディーは十分聴こえてくるから、fまで下げちゃう。その前からcresc.があるわけだから、cresc.の始まりはmfよりちょっと落としたところから始める。そうすれば、[C]のアウフタクトのffがしっかり見えてくる。

大井:この曲の後半にもあったんだけど、どこのf、どこのffが一番大切なのか。最初のアクセントの話もそうですけど、どれも同じじゃないってことですよね。

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天野:そうですね。

大井:[C]の第2マーチのキャラクターっていうのも凄く大切だから...。

天野:そこから逆算して、そこまでの構成を考えないといけないですね。


天野:第2マーチの中間部、ここ凄く美しいとこなんだけど、これもちょっと油断するとテンポが遅くなりやすいですね。このクラリネットのタンギングが意外とやりにくい。

大井:そうですね。あんまり短く短くって思うと逆に...。

天野:乗り遅れやすいです。あとは、スネアのリムとクラリネットが合わなくなっちゃうんですよ。ここはコード進行も美しいし、お洒落なところですよね。

大井:そうですね。

天野:[D]は[C]と同じなんだけど、前が薄いからアウフタクトが潜る問題もないですね。それで第2マーチの中間部かと思いきや、イントロのパターンが出てくる。ここは2nd アルトサクソフォーンがちょっと音域低いから、アクセントで音がビャッっと広がらないようにしたいですね。

大井:ふむふむ。装飾音があるので、結構テンポの取り方が難しくて...特に[E]の5つ前から4つ前に入るところの間が難しいです。音量も下がるじゃないですか。

天野:そうですね、ここもちょっと大変ですよ。でもね、ここでちょっと嬉しいのは、Tubaを休ませてコントラバスだけ木管低音と同じことをやってるじゃないですか。いいですよね。

大井:なるほど。


天野:[E]からまた第1テーマの再現になるわけなんだけど、ここの作り方って難しいですよね。[E]の1小節前のfpからcresc.も、どのタイミングで音量を変化させるかで印象が変わるじゃないですか。このfp、ちなみに大井さんだったらどれくらいのタイミングで落とします?

大井:fのあとにpにするのをどのタイミングでするか、ってことですよね?

天野:そうです、はい。いろんな落とし方、あるでしょうけどね。

大井:あんまり極端でもおかしいですよね。時間少ないんですよ、この1小節でfpからcresc.fに戻すには。で、しっかりfまで行くには、早くpに落さないといけない。

天野:そうなりますよね。だから8分音符ひとつ分くらいになっちゃうのかなあ、とかね。あとはpを具体的にどこまで落とすかですよね。

大井:大前提として、何が大切なのかですよね。fpcresc.のニュアンスが大切なのか、fpにすることで、低音の進行が見えることが大切なのか。後者だとしたら、そこまで極端にcresc.しなくても良いかもしれない。僕は低音の動きが聴こえれば良いと思います。ほとんどは無意識的にですけど、「流れ」と「音楽的なバランス」が大切ですね。あとは、この一瞬を取り出して練習しすぎない方が良いと思います。


天野:Trioに入るところも、ご多分に漏れずみんなcresc.書いてますね(笑)。

大井:ただその、課題曲IIと違うのは、[F]の4小節前ですでにffになってるということです。楽譜の通りにffにしてしまうと、このcresc.はできないんですよ。さらに[F]の頭が力任せになっちゃう。

天野:そうですね、[F]の4小節前はfよりちょっと大きい程度で良いと思います。その代わり、Trio直前の3つの8分音符は、明確に役割が分かるように演奏したいですね。音量の変化だけでなく、音色の変化でも良いから。それからsffzも、最近「ッパン!」と決めすぎる人多いじゃないですか。「ズァン」というイメージ、無くなってるんですよね。sfzって本来「ぅわん」と少し膨らむじゃないですか、子音が長いと言うか。最近、ハエ叩きのようなsfzが増えちゃってる。

大井:これは難しいですよ。硬くゴッツくなりますからね。

天野:気を付けないといけないとこです。

大井:[F]の3~4小節目は著しく前のめりになりやすいので、注意が必要ですね。

天野:管楽器がお休みのところにも打楽器は入っているから、これもポイントですね。この4小節間、意外と大事ですよね。


天野:[G]からのメロディーライン、いろんなバランスの作り方ができて、個性が出るでしょうね。どれもありでしょうから。クラリネット中心、テナーサクソフォーン中心、ユーフォニアム中心、ブレンド重視、これは団体ごとにいろいろできますね。

大井:いろんな課題が仕組まれてるような気がする...。[G]の3小節目、跳躍で上がるんだけどもフレーズの終わりの音、短すぎるとおかしくなるスタッカート、[H]の2小節前の滑りやすいリズム...。

天野:いっぱりありますよ。だから、審査はしやすそうですね(笑)。

大井:はい。

天野:[H]からもそうですね。最初の方はいいんだけど、115小節目の最後のGとか、ほとんど聴こえなくなっちゃう。意図的に大きめに吹いて、やっと楽譜通りに聴こえる。

大井:うーん、なるほど。あとは、音楽を大きく捉えることが大事かもしれないですね。パッと見ると115小節目だけで1つの塊に見えるけど、115~118小節目までで一つのフレーズなので、それを意識するかしないかで、115小節目の吹き方も変わってきますね。

天野:それから、123小節目も難しいですね。リズムもそうだし、アクセント付いてるからって全部やりすぎちゃうと...。

大井:あくまでTrioの中のアクセントのニュアンスを考えてほしいです。


天野:[I]のブリッジ、イントロとは別の形になってるんだけど、ちょっと油断するとバランス取れなくなっちゃうんですよね。「ぐしゃー」って。

大井:これ、どうしたらいいんですかね。

天野:まずはベースは絶対必要なわけじゃにですか、鳴りっぱなしじゃないんだけど。それでテーマとして一番出るのはファンファーレだからトランペットとアルトサクソフォーンが聴こえてこないといけないわけじゃないですか。でも高音のトリルが大きすぎるような気がします。長い音符の間は少し抜いて、駆け上がりでまた少し出してとかってやるだけでも、少しは変わってくると思いますね。あとはトロンボーンが鳴りすぎてもバランスがよくない。それから低音楽器は、129~130小節目みたいにファンファーレが伸びてる裏で動くような呼応の部分は、少し目立っても良いかなと思います。

大井:この高音のトリルが何のためにあるのかって考えると、物事を華やかにするためにあるわけですよね。でも、テーマを聴かせるために、それを抑えないといけないというのは...。ここはたぶん、書き手としてはどれもこれも大切でってパターンだと思うんですけど...。

天野:ここはいろんなやり方にチャレンジしてみたらいいですね。135小節目でいったん音量が下がることも加味した上で考えていかないといけないと思うんですよね。ここからのcresc.も2段階になってる。木管はmfまでのcresc.で、金管はそこからfで入ってくる。

大井:ここの差を強調して演奏するのか、あくまで大きなcresc.と捉えて本能に任せて作るか、どっちもやり方があると思いますね。

天野:金管はfで入ってくるけど、バッキングのホルンはmp、同じリズムのスネアはmfで...。

大井:作曲者にいろいろと訊きたくなっちゃうけど、こういう譜面って往々にしてあるものだから、あんまり悩み過ぎないほうが。

天野:それが一番いいと思いますね。このmpスタートのホルンも、あえて楽譜通りにやってみたことがあるんですけど、確かに初めは聴こえないんだけど、たった2小節間でmpからffまで持っていかないといけないわけですよね。なので、cresc.のカーブが急になって、迫ってくる感じは面白いなと思いましたね。

大井:そういう面白さが、こういう譜面から作られて...。オケの曲でも割とありますよね。

天野:こういう長いcresc.の中でホルンだけ異質なことをやってると、あ、なるほどねえ、っていうね。

大井:そういうのも含めて、譜面を読むのって楽しいですよね。


天野:[K]のグランドマーチはともかく、やや唐突なエンディングですよね(笑)。時間が足りなくて付け加えたのか、あるいはもっと長かったものを無理やり短くしたのか...いろんな事情を考えちゃうけど。もしかしたら昔D.C.するマーチみたいな、そういうニュアンスを出したかったのかな、どうなんでしょうね。

大井:最後、割と重たくなるんだよなあ。

天野:ここ、重たくなっちゃいますよね。

大井:なんでだろう...。

天野:たぶん、それまで隙間がなくテンポで進んでて、ここで隙間が空くじゃないですか、いろんなパート。それもあってちょっと、重ためになっちゃうって言うか、そういうことなのかな。[L]から4小節間、パート間の連携が上手くいかないと重くなりがちで、そうすると反対に179小節目からインテンポで演奏していても滑っているように聴こえちゃいます。この曲、全体的に分厚く書かれてるから、さっきのアクセントもそうですけど、バランスを考える上でも、どれが一番大事と考えるかによって、印象は変わってくるでしょうね。

大井:匙加減ひとつで露骨にもできるし、スタイリッシュにもできそうですね。

天野:いろいろと考えないと、ちょっと大変な曲かなあっていう印象ですね。あとは意外と金管が疲れそうですね。特にトロンボーンは音が高い。この後に自由曲で「ローマの祭」とかやったら大変だろうなあと(笑)。

【天野 正道】
国立音楽大学作曲科首席卒業、武岡賞受賞。同大学院作曲専攻創作科首席修了。在学中よりクラシック、現代音楽はもとよりジャズ、ロック、民族音楽から歌謡曲まで幅広い創作活動を行う。卒業後オーストラリアに赴き日本人で初めてC.M.I.(Computer Music Instruments)をマスターし、日本におけるコンピュータミュージックの第一人者の一人となる。多くのアーティストのアルバム、映画、アニメ、ビデオの音楽、数多くのCM、TVの音楽制作を行っている。2000年、第23回日本アカデミー賞音楽部門優秀賞受賞。2001年、第24回日本アカデミー賞音楽部門優秀賞受賞。2000年、第10回日本吹奏楽学会アカデミー賞受賞(作・編曲部門)。尚美ミュージックカレッジ専門学校特別講師。

【大井 剛史】
東京藝術大学指揮科を卒業、同大学院指揮専攻修了。 東京佼成ウインドオーケストラ正指揮者。国内の主要なオーケストラを指揮し、いずれも高い評価 を得ている。現代作品、オペラ、バレエなど幅広い分野で活動中。2008年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクール第2位。東京藝術大学音楽学部器楽科非常勤講師(吹奏楽)。尚美ミュージックカレッジ専門学校客員教授。

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