活躍する卒業生
田島 日代莉
ホールスタッフ
音楽総合アカデミー学科ヴォーカルコース卒業 2024年度卒業
ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)
長野県・飯田女子高等学校出身
現在のお仕事の内容についてお聞かせください。
ホクト文化ホールで音響業務を担当しています。主な仕事は、公演時のマイクや機材の準備から音響卓での音の調整です。クラシックコンサートでは記録用に録音を行うこともあります。また、プロジェクターの設営や持ち込みのパソコンとの設営等、映像関係の業務も担当しています。大・中・小ホール三つのホールがあり、すべてに関わっていますが、現在は主に小ホールを任せていただいています。段階を踏みながら、少しずつ大きなホールも経験させていただいているところです。
お仕事をする上での「やりがいを感じたエピソード」について教えてください。
一番やりがいを感じるのは、利用してくださるお客様としっかりコミュニケーションが取れたときです。催しを行う際に、打ち合わせの中で「BGMをこのぐらいの音量で流したい」「このタイミングで話すからここにマイクを設置してほしい」など、具体的なご要望を直接伺うことがあります。そうした要望を一つ一つ把握し、「こういう音にしたい」というご要望に応えられたり、これまで先輩方に教えていただいたことが、実際の公演に活かされたときはとても嬉しく感じました。また、ご利用いただいた方から「とてもやりやすかった」「ありがとう」と声をかけていただけたことも印象に残っています。ホール全体の雰囲気の良さを支える一員として関われていると思うと、やりがいを感じます。
「大変だったエピソード」について教えてください。
入社当初は、ほぼ初心者の状態でした。学生時代にも授業で自分たちでライブができる程度の基礎的なことは学んでいましたが、舞台音響の専門的な知識や細かい用語については、ほとんど一から教えていただく形でした。覚えることが多く、実践に活かすまでに時間がかかり、悔しい思いをすることもありました。自分の中には「こういう音を作りたい」という理想があるのですが、技術や知識が追いつかないこともあり、もどかしさを感じることもあります。それでも、先輩方に相談しながら、日々少しずつ成長できるよう努力しています。

このお仕事を目指したきっかけについて教えてください。
在学中の自主企画ライブが大きなきっかけです。もともと音楽が好きで、どのような形でも音楽に関わっていたいという思いがありました。ヴォーカルとしてステージに立つ中で、4年生のときにライブをまとめる立場を経験しました。ライブ中に不安や緊張に押しつぶされそうな時、ステージから客席を見て、一番後ろにいる音響スタッフの方の姿に安心感を感じたんです。出演者の気持ちに寄り添いながら支えてくださる存在に憧れを持ち、自分もそのようなスタッフになりたいと思うようになりました。
お仕事をする中で、普段から心がけていることをお聞かせください。
教えていただいたことは、必ずメモを取るようにしています。その場では走り書きでも構わないので記録し、後からまとめ直して整理します。いただいた公演についての資料も目を通して、自分なりに書き足して理解を深めています。もともと、書くことで理解が深まることが多いため、その方法を仕事にも活かしています。
このお仕事に就くために必要な心構えを教えてください。
前向きでいることが大切だと思います。公演は毎回内容が異なり、失敗してしまうこともありますが、その都度反省し、次に活かすことが重要だと感じています。この職場には、先輩方が丁寧にフォローしてくださる環境があり、相談できることが大きな支えになっています。
将来の目標について教えてください。
目標は三つあります。まず、お客様の「やりたい」という気持ちにしっかり応えられる技術を身につけること。次に、「これがベストな音です」と自信を持って言える音響スタッフになること。そして、「この人が担当なら安心」と思っていただける存在になることです。できるだけ早く近づきたいと思っていますが、5年以内には実現できるよう努力していきたいと考えています。
ご自身の就活の進め方について教えてください。
「音楽に関わる仕事」という軸を持って就職活動をしていました。人生の節目に音楽が寄り添うことに魅力を感じ、ブライダル業界の音響職や葬祭業なども検討しました。地元・長野で開催された合同説明会にも参加して幅広く情報収集を行いました。キャリアセンターで相談する中で公共ホールの仕事を知り、調べている際にホクト文化ホールの求人情報を見つけ、挑戦してみようと思いました。
在学中にやっておいてよかった活動はありますか?
自主企画ライブです。ライブハウスの予約から集客、構成まで自分たちで行い、四年生のときにはリーダー的な立場も経験しました。出演者全員で協力し合いながら一から作り上げる大変さを学びましたが、その分、終わったときの達成感はとても大きかったです。今、スタッフとして働く中でも、主催者や出演者のやりたいことを想像し、提案していけるのは、その経験があるからだと感じています。
現在就活中の後輩に向けて、メッセージ・アドバイスをお願いいたします。
歌を中心に学んできたので、それをどのように活かすか悩んだ時期もありました。歌だけに絞ると選択肢は限られてしまいますが、視野を広げることで新しい道が見えてくると思います。現在は音響スタッフとして働きながら、音楽イベントで少しずつ弾き語りにも挑戦しています。就職したからといって、自分のやりたいことを諦める必要はありません。自分が納得できる場所で、楽しく働ける道を見つけてほしいと思います。
(取材日:2026年2月)
※卒業学科は卒業当時の名称です。
