活躍する卒業生
松本 七海
レコーディングエンジニア(アシスタントエンジニア)
エンタテインメントスタッフ学科 2024年度卒業
現在のお仕事の内容についてお聞かせください。
現在はアシスタントエンジニアとして働いています。スタジオでの作業がスムーズに進むよう、朝の掃除や機材のセッティングなど、事前の準備を整えてお客様(アーティストやエンジニアなど)をお迎えすることから始まります。
レコーディング当日は、作業開始のおよそ2時間前にスタジオ入りし、マイクなどの機材を準備します。最終的にマイクの種類や配置はエンジニアの方が決めますが、「このアーティストはこのセッティングが多かった」といった経験や先輩から引き継いだ情報をもとに、事前にある程度のセッティングをしておくことで、本番での調整がスムーズにできるようにしています。レコーディング中はPro Toolsの操作を担当し、「このテイクを聴きたい」と言われたらすぐに用意するなど、とにかく迅速な対応を心がけています。録音が終わってお客様が帰られたあと、機材を片付けて作業は終了です。
労働時間は不規則で、お昼過ぎに始まって日付が変わる頃まで、遅いときは朝の4〜5時までかかることもあります。
お仕事をする上での「やりがいを感じたエピソード」について教えてください。
つい最近リリースされたアルバム(CD)のクレジットに、自分の名前が載ったことです。アシスタントエンジニアは名前がクレジットされないことも多いので、「がんばりが認められた」と実感できてうれしかったです。
約1ヶ月にわたってレコーディングに携わったアルバムで、自分の名前が載っているかどうかは商品を見るまでわかりませんでした。お世話になったディレクターの方から届いた商品の見本盤を確認していて、クレジットに自分の名前を見つけたときは、本当にうれしかったです。
「大変だったエピソード」について教えてください。
やはり時間の不規則さです。決まった時間に働くという感覚ではなく、作業も「何時に終わる」という明確なスケジュールはありません。作業中に別の作業を頼まれて時間が延びていくこともあり、その中で自分の生活リズムを見つけていくのが大変でした。
休日は作業予定に合わせて自分で調整します。1年目に年越しをスタジオで迎えた経験があり、その経験から「これくらいなら大丈夫だろう」と思えるようになり、少しずつ慣れていきました。
このお仕事を目指したきっかけについて教えてください。

宇都宮短期大学の2年次にコロナ禍に入り、生で演奏する場がなくなってしまったことがきっかけです。もともとは演奏者として学んでいたのですが、興味からPAに関する知識も身につけていたので、自分や仲間の演奏を録音・撮影して動画で発信しようと考えました。その中で、マイクの位置や録音する環境が変わるだけで音が変わることに面白さを感じ、調べていくうちにレコーディングエンジニアという職業に行き着き、「これになりたい」と思うようになりました。
尚美は、音響・照明・映像を一から幅広く学べる点に惹かれて入学を決めました。レコーディングエンジニアもPAなどの仕事と関わることが多く、分野をまたいで理解しておくことが大切だと考えたためです。
就職活動では年齢がネックになり(短大卒業後に尚美に入学したため)、選考で難しい反応をされることも多かったのですが、プラネット・キングダムはそれを受け入れてくれました。また、学生時代に「歌を録ることの難しさ」を実感していたこともあり、歌録りを多く手がける弊社に強く惹かれました。また、多くのエンジニアの方が在籍していることから、それぞれの方のスタイルを学びながら自分の色を作っていきたいと考え、入社を決めました。
お仕事をする中で、普段から心がけていることをお聞かせください。
とにかく視野を広く持ち、人の話をよく聞くことです。レコーディングの現場にはエンジニア、ディレクター、アーティスト、時にはアレンジャーなど多くの方が関わり、様々な会話が交わされます。その中で「次に何が起こりそうか」「相手は何を求めているか」を想像し、あらかじめ準備しておくことで、現場をスムーズに進行させることを意識しています。
このお仕事に就くために必要な心構えを教えてください。
何よりもまず、音楽が心から好きであることだと思います。専門学校を経ずにこの業界に入る先輩もいるほど、「好き」という原動力が大きな業界です。どんなに大変でも、音楽やものづくりへの向き合い方さえぶれなければ乗り越えられると感じています。仕事以外でも、休みの日に楽器店を覗いたりと、日常的に音楽と接しています。
将来の目標について教えてください。
まずはエンジニアとして独り立ちすることです。現在はアシスタントとして信頼を積み重ねている段階ですが、そこから歌のトリートメントやレコーディングなど、エンジニアとしての仕事を少しずつ任せてもらえるようになりたいと思っています。
ご自身の就活の進め方について教えてください。
まず、都内のレコーディングスタジオを紹介しているまとめサイトを見て、どんなスタジオがあるのかを徹底的に調べることから始めました。プラネット・キングダムもそのサイトを通じて知りました。並行してキャリアセンターの求人や講師の先生からの紹介も参考にし、あるスタジオが主催するセミナーに足を運んだこともあります。最終的に応募したスタジオは10社以上にのぼります。
在学中にやっておいてよかった活動はありますか?
レコーディング専攻ではありましたが、1年次の早い段階から演奏系の学科の授業のPAに積極的に関わりました。2年次にはミュージカルの公演で音響のチーフを務めたほか、ダンスの公演時の音響も担当させていただきました。自分の引き出しを増やしたいという思いから、幅広く経験を積んだことが、今の仕事にもつながっていると感じています。
現在就活中の後輩に向けて、メッセージ・アドバイスをお願いいたします。
「やりたいこと」に対してまっすぐでいることが大切だと思います。専門学校の2年間は思っている以上に短く、どっちつかずのまま迷ってしまうと、あっという間に時間が過ぎてしまいます。自分の場合はずっとエンジニアになりたいという気持ちを持ち続けて動いてきました。やりたいことに真摯に向き合っていれば、道は開けると思います。
【関連リンク】
株式会社プラネット・キングダム
(取材日:2026年8月)
※学科名およびコース・専攻名は2027年度の表記で記載しています。
