
みなさん、お元気で、クラリネット生活をお過ごしでしょうか?
春を迎えて新しい生活環境になった方も多くいらっしゃることと思います。
体調に気をつけて…と、これは実は楽器も同じ。
クラリネットは木でできている楽器なので、気圧や温度、湿度に大きく影響を受けます。特に、日本特有の現象なのですが、桜が散る頃、楽器の調子が大きく変わる時期と言われているので、この時期にメンテナンスをお勧めします!
うまく吹けない原因は?
日頃クラリネットを吹いていて、「タンギングが上手くいかない」「ハイトーンが痩せる、きつい」などの悩みを持つ方もいらっしゃると思います。
これ、つまり「上手くいかない吹き方」をしているのが原因、だと思いませんか?
すごくピンポイントで言うと下唇とリードの関係やセッティングの仕方に、なにか「リードが自然に振動しにくい要素」があるのかもしれないんです。
まずはいつも通りロングトーン、スケール、タンギング練習など、なんでもよいので、自分の上下の歯の開き具合、下唇の状態、舌がどう動いているかを注意深く観察しながら吹いてみてください。
- 顎は動いていませんか?つまり上下の歯の幅に変化がありませんか?
- 唇でリードを「むーっ」と押しつけていませんか?
- 舌を動かした時に顎も一緒に動いてしまっていませんか?
このどれかが起きていると、リードの振動を支える体や形が不安定、つまり発音のレスポンスや音程に影響する、とイメージしてみてください。
奏法改善のヒント
お勧めなのが、楽器をくわえることでアンブシュアを決定するのでなく、まずは楽器をくわえないで、吹いている時の「顔の形」を作って顎が動かないように固定し、それから楽器を挟み込む、というセットの仕方です。
どんな顔をして吹いているか分からなかったら、まずいつも通り吹いてみて、そのまま顔を固定して楽器を外してみましょう。
唇が柔らかい、変化しやすい形になっていたら、唇のすぐ下の筋肉を平らにしてみてください(上下の唇を上下の歯で挟むと下唇のすぐ下の筋肉を平らにしやすいです)。
平らにできたらそれを崩さずに口を開けてみましょう。おそらく自然と下の歯を少し覆う形になり、唇が薄くなるはずなので、その状態で、再度顎を固定して、楽器を、噛むのではなく、固定した上下の歯に突っ込んで挟み込んで、息が漏れないように口を閉じて、吹いてみましょう。
そして「上下の歯」と「右手親指」の3点のみで楽器を挟み、他の指は楽器に触れないようにして、開放の記譜G(=「ソ」)の音でロングトーンをし、そのままブレスをとってみてください。顎が動くと楽器が落っこちてしまうから、自然とブレスをとる時も顔の形を変えないようにすると思います。
楽器を「上下の歯で噛んで固定する」のでなく、右手親指の位置をしっかり固定して挟むということを意識してみましょう。
次に、楽器をくわえた状態で、顎を固定して顎が動かないように「ラ、ラ、ラ」と声を出してみてください。
舌の形が平べったくなるはずです。これが舌の筋肉だけで舌を動かしている状態です。
この形の舌でタンギングをすると、顎が動かないので、発音のノイズ、リードミスなどが減るはずです。
そしてフィンガリングですが、トーンホールを塞いだ時に、なるべく第一関節が凹まないようにしましょう。
凹んでいたら、楽器を必要以上に握ってしまっているサイン。アクションも鈍くなる原因です。
曲を練習する時間とは別に、上記のような自分の形・吹き方を観察して、少しでいいので改善してみる時間を「ウォーミングアップ」として作ってみてください。
必ずしも上記のようにやらなければならないわけではありません!自分なりに工夫するのも良いです!ほんのちょっと意識するだけでも、日々の積み重ねですごくレベルアップすると思います。
「上手な人が軽々とやってのけていることを、いつか絶対に自分もできるようになるはず」「上手な人が楽器を吹く方法と同じ方法で吹けば自分にもできるはず」と、実は私も今でも諦めずに思っていることです。
そして「苦手なこと」や「できないこと」の中にこそ大きなヒントがあり、できるようになったとき、できなかったときと何が違うのかを意識していけば、必ず次に応用できます。
言葉で伝えるのはとても難しいですが、少しでも奏法改善のきっかけになればと願います。
自分の奏法は自分にしか管理できないので、興味を持って知っていけば、きっと自分の音が大好きになっていくと信じています。
もっともっとクラリネットを吹くことが楽しくなりますように。私も探し続けています。

中村 めぐみ
管弦打楽器学科 講師
Profile
東京藝術大学卒業。同時にシエナ・ウインド・オーケストラ入団(創立メンバー)。シンフォニーオーケストラ、ミュージカルオーケストラ、室内楽、ソリスト、スタジオワークなどでも活動を続ける。東京クラリネットアンサンブルメンバー。シエナ・ウインド・オーケストラでは多数の公演、CDセッションでコンサートマスターを務める。現在、シエナ・ウインド・オーケストラ、クラリネット奏者。尚美ミュージックカレッジ専門学校、洗足学園音楽大学、桜美林大学、非常勤講師。
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