楽器別ワンポイントアドバイス – オーボエ編

2026.08.21

楽器を吹く前に

まずはリードだけで練習しましょう。

①リードだけで吹いてみましょう。吹きながらリード(チューブの出口)からどれだけの息が出てくるか手のひらで感じてみてください。クリーニングペーパーをかざしてみるのもわかりやすいと思います。そっと吹いても、頑張って目眩がするくらい吹いてもたいして変わらず、少ししか出ていないことがわかると思います。

次にリード無しで満タンにブレスして、口は開いたまま喉を締めて息を止めてください。次に口をすぼめて喉をほんの少しだけ空けて同じ息の量を出してみましょう。かなり出さないように我慢しないと息の量が増えてしまうのがわかると思います。喉を開き過ぎないこと、これが息の支えの素になります。

こんな少しの息でどうやってオーボエを吹くのか?


②「んー」とハミングしながら唇をふるわせてみましょう。口にためた空気を押し出して「ぶー」です。一度「ぶー」とやったらまた空気をためて何度か繰り返してみましょう。必ずしも唇をふるわせなくても、空気の出し入れができていればOKです。上下の唇を近づければ「ぶー」と鳴ると思います。

ストローでジュースを飲む時は、おそらく誰でも「んー」とハミングしながらでも口の中に吸い込むまではやっていると思います。そのまま吸い込んだ時と逆の動き(舌が大きく動いているはず)で押し出して戻してみましょう。「んー」とハミングしたまま吸って戻してとできるのが大事です。
ハミングの時は肺からの息は鼻に抜けて、口には出てこないので、それでも「ぶー」ができたら「口の動きだけで空気を押し出せている」確認になるからです。

リードを咥えてやってみましょう。初めはリードが「発射!」してしまわないように手で持ってやってください。口で空気を押し出すことが出来ても、リードを噛みすぎているとリードに空気が入ってくれないので、リードに触っている唇の感覚に気を付けましょう。

次に手を離してやってみましょう(リードを発射させないように気をつけて!)。リードを咥えているというよりは、唇を巻きつけた歯でチョンとつまんでいる感じ。気をつけたいのは、口角を「いー」のように引かないこと。「うー」のように中央に向かって絞り込む感じにしましょう。リードが発射しないように、巻き込んだ唇が外に出てこないように気をつけて、口の中の空気を押し出しましょう。

これが出来たら、「空気を押し出した後の口の中の狭さ」をできるだけ保って普通に肺からの息で吹いてみましょう。肺からの息は上顎と舌の間を通るので、舌と上顎の間が狭いほど息のスピードが上がります。舌の奥の方を持ち上げて。
リードだけで吹いた時には第2オクターブの「♮シ」が鳴るようにしましょう。リードの開き、アンブシュアを調節してちょうど「シ」が鳴るようにましょう。リードの開きが大きいと音は低く、小さいと高くなります。また、2枚のリードのズレ具合が大きいと高くなります。口の中に入れるリードの量(咥える深さ)、上下の噛み合わせ、歯に巻きつけた唇の感覚など、ちょうどいいところを探しましょう。
メトロノームで♩=60くらいで♩四分休符♩四分休符〜と繰り返しましょう。野球の素振りのように。


③リードで「シ」が確実に出せるようになったら、「シードー#ドー♮ドーシー」と音程を変える練習です。

舌の奥を持ち上げるほど高い音になります。(息の量は変えないで舌の動きだけで)
口角を中央に寄せる動きでリードの開きを小さくすることでも音程を変えられます。
上下の歯の距離を変えることでも変えられます。
息の量を変えるだけでも音程を変えられますが、息の量に頼りすぎるとバテやすくなりますので気をつけて。口の中の息の圧力に舌が負けて舌が下がって口の中が広くなってしまわないように!


④リードで「シー」でロングトーン。p、mp、mf、f、ff、pp、クレッシェンド、ディミヌエンドと色々やってみましょう。
「シー」の音程が変わらないように!③で覚えた要素を組み合わせて試してください。「ドー」でも同じ練習です。

リードでの練習なら音色や音程を取り繕うことなく、息と口のトレーニングに集中できると思います。ぜひやってみてください。


佐竹 正史

管弦打楽器学科 講師

Profile

1964年山形県上山市生まれ。県立山形北高等学校音楽科、東京藝術大学器楽科オーボエ卒業。オーボエを林明、故梅原美男、河野剛、故小島葉子、齋藤勇二の各氏に師事。室内楽を中川良平、山本正治の各氏に師事。卒業後はフリーの奏者として主に吹奏楽で活動を始める。1991年東京フィルハーモニー交響楽団に入団。現在首席奏者。 尚美ミュージックカレッジ、尚美学園大学講師。フィルハーモニーカンマーアンサンブルメンバー。