2009.05.18
音楽総合アカデミー学科
音楽総合アカデミー学科の滝口北斗先生による特別コラム第3話中の第2話目(制作の現場から編)をお届けします。
ゲストに話題のクリエイターを迎えて「今人気のエレクトロ系サウンド」をテーマにした対談を行うにあたり、第1話では出演者の紹介のコラムでした。
みなさん、こんにちは。
音楽総合アカデミー学科講師のHOKです。
このコラムではゲストに様々なクリエイターを迎えた対談の模様をお伝えしていきます。
対談の模様はSHOBI NET-TVとの連動により、動画番組としても配信されるのでそちらも併せてご覧下さい。
さて―
みなさん、お待たせしました!!
ゲストにサウンドクリエイター・A-beeを招いてのCreator's Talk公開スタートです!!!!
普段はこういう形で、動画と絡んだ形での対談とかをしない2人の絶妙(微妙?)なトークをお楽しみいただければと思います(笑)
このコラムでは番組内のトークでは語りきれなかった部分や補足的な目線での対談の内容を書いていくことにしましょう。
1.DTMの入り口と現在の制作スタイルへの変遷
A-beeは幼い頃から音楽環境で育ち、自然にピアノを習い始めたそうです。
その後はRockバンドでギター/ヴォーカルとしてメジャーデビューを目指しての活動をスタートさせたという。
僕と出会ったのはちょうどこの頃でした。
当時のバンドでは、ライヴにも打ち込み(シーケンサー)を取り入れたUK系のデジタルロックサウンドを中心に制作。
そのデモ・テープ制作やアレンジの段階でDTMを使い始め、独学でスキルをアップさせていったそうです。
バンドの解散後はソロワークを開始。
音のジャンルはロックサウンドからクラヴミュージックへ変化。
身につけたDTMのスキルをベースに現在では作曲からレコーディング、ミックスダウンまでのトラックメイクを全て自身で行っているそうです。
2.使用している機材の環境
Apple Mac ProとLogic Pro 9を使用。
Logicをチョイスした切っ掛けは何となく手に取ったからとゆー(笑)
僕自身もLogicユーザーですが、A-bee同様に音質や操作性などはかなり気に入っています。
Logicのメリットの一つとして"Apple Loops"を挙げています。
この"Apple Loops"というのは、LogicやGaragebandなどで使用出来る音(フレーズやリズムパターンのループ)素材のコト。
様々なジャンル、キー(スケール)、BPM(テンポ)に自動対応してくれる為、作曲のアイディア段階でかなり有効的に活用出来ます。
これに似た形のファイルは現在はAbleton LiveやSteinberg Cubase、WindowsベースにおいてはSONY ACIDなど、多くのソフトウェアにも取り入れられています。
ソフトウェアによっての個性による違いはありますが、それぞれのメリットを組み合わせることによって、より高度な制作が可能になります。
SHOBIで行っている僕の授業では、こういったLoop素材を取り入れて簡単に作曲、アレンジへのイメージを膨らませられるような入り口を作る講義も行っています。
3.音楽への向き合い方
「音楽依存症」だって言ってたけど―
常に音楽と向き合っているから、「いつ曲書きますか?」って言われても解らないって。
この辺はまさにCreator's Talkって感じ(笑)
僕もそうだけど、朝起きてとりあえずスタジオの機材立ち上げて制作出来る準備をはじめます。
そして時間があるときはいろんな音楽を聞いたり、ピアノを弾いたり、思いついたフレーズを記録しておいたり...
24時間を音楽と共に生きている感じ。
"No Music,No Life"ってこういう状態のコトを言うんだよねってリアルに思います(笑)
昔は外の(大きな)スタジオに行かないとレコーディングが出来なかったけど、現在のDTM(DAW)環境では自宅でもある程度出来るようになりました。
コレはクリエイターにとっては最大の恩恵だと思っています。
自分の時間を作ってリフレッシュしたりすることも大切だけど、思い立ったら即...っていうのがかなり便利です。
自宅で作業してるとギリギリまでやって、すぐベッドに倒れたり出来るしね(笑)
この対談(前半)の中で一番印象に残ったのは...
「一日でも音楽をやってない日があると嫌な感じ」
「やり続けるのは苦しいけど、聴いてくれた人が"いい"っていってくれる出来た時の喜びの為にやっていける」
...っていう言葉。
コレはクリエイターだけじゃなく、音楽業界、それぞれの夢を目指して歩いている全ての人に伝えたいね。
―って感じでいろいろな話が飛び出しました(^^)
普段は見せない顔が見えたんじゃないかなぁ?
僕もA-beeもクリエイターとしての大変さはいろいろ見て知っています。
夢を目指してSHOBIに入って来る学生にはその現実も少しずつ伝えていけたらいいなって思います。
その現実を知って諦めちゃうようじゃ夢はきっと叶わないからね。
その壁に向かって、やり続けていく強い信念、ハートが大切なんだよね。
普段あまり言葉にしないコトではあるので...
自分自身、改めてこの気持ちを思い出して刺激を受けました(笑)
最後に―
予告編公開からちょっと時間が開いてしまい申し訳ありません(^^;
最近はHOK自身のプロジェクトでいろいろ忙しい毎日...
そのプロジェクトに関しての制作の裏側とか触れる機会があればいいなーって思っています。
では、後編公開のタイミングでまたお会いしましょう。
1/06/2010
HOK@IMAGEPLANT STUDIO,Tateyama