2007.08.20
プロミュージシャン学科
SHOBI では、プロミュージシャン学科、ヴォーカル学科共同で、月に一回、『ファーストステップオーディション』を開催しています。
この学内オーディションに合格すると、次のステップとして、音楽業界の方々を招待しての公開オーディションへ出場できる権利を得ることができます。ですから、プロを目指すプロミュージシャン学科、ヴォーカル学科の学生は、一年次からこの学内オーディションに積極的に参加します。
今年度 4 回目の開催 ( 2007 年 9 月 20 日 ) にあたって、このオーディションを主催しているプロミュージシャン学科の高野先生に、『ファーストステップオーディション』について思うところを語って頂きました。
「僕は、毎月の『ファーストステップオーディション』をとても楽しみにしているんです。
たくさんのバンドに接することができて、新しい“息吹”を肌で感じるのは、やはり楽しいことです。ややもすると忘れがちな“音楽を楽しむ”という根っこのところを、オーディションの度毎に、学生に教えられる気分ですね。」
「僕は、毎回、審査委員長として審査を行っています。審査をする時には、“教え子”だからって、決して甘やかしたりはしません。“プロの厳しさ”を分かってもらう為に、時には苦言を呈することもあります。リズム感が悪い、ピッチが甘いなど、未熟な点、練習不足である点は、見逃さずにきちんと指摘します。基本的な演奏テクニックをマスターするまでは、妥協を許しません。」
「ただ、そうした次元とは別に、規格外の“個性”に出会うことも数多くあります。
例えて言うなら、“イチローの振り子打法”、“野茂のトルネード投法”のようなものでしょうか。
教科書通りに教えるとするなら、絶対に直してあげなければいけない“おかしな歌い方”、“おかしな弾き方”に出くわすことがあるんです。
僕は、こうした“個性”に出会った場合、無暗に教科書通りに“修正”することはしません。
誰もが教科書通りに演奏する音楽なんて、面白くないじゃないですか。ちょっとくらい“規格外”でもいいじゃないですか。“規格外”であることが大事なんです。むしろ、その“規格外”を育ててあげようと考えます。演奏テクニックの未熟さと“個性”とは、別次元のものなのです。
“個性”があってこそ、プロとしての途を拓くことができるんですから。
これは、僕だけじゃなくて、SHOBI プロミュージシャン学科、ヴォーカル学科の先生方すべてが、学生を指導する際に心掛けていることです。
驚くような“個性”に出会える場として、僕は、『ファーストステップオーディション』を毎回楽しみにしているんです。」