SPECIAL TALK
03
プロになるために必要なものが
すべて揃っている環境。
2024年3月掲載。学年、役職名等は取材当時のものです。
卒業生
チョーキューメイ Vo. Gt. Vn.
プロミュージシャン学科卒業
卒業生
チョーキューメイ Ba.
ジャズ・ポピュラー学科卒業
2020年梅雨ごろ結成。9月15日下北沢Daisy Barにて初ライブ。2023年春、1st Album収録の「貴方の恋人になりたい」が日本のみならずアジアでバイラルヒット。YouTubeでのMV再生数は3,300万回超え、TikTokでの再生回数も10億回を超えるなど大ヒットとなる。24年1月にTVアニメ『ゆびさきと恋々』エンディングテーマ「snow spring」を配信リリース。6月からは2nd Album Release Tour「銀河ムチェック」ツアーの開催も決定!春から大型フェス出演が続々と決定しており、さらなる注目を集めている。
https://choqmay-official.com/アルバム「銀河ムチェック」6月発売
聞き手:高田康(YASS)[プロミュージシャン学科 講師]
ーーSHOBIを選んだきっかけは?
麗:たくさんの音楽系専門学校のオープンキャンパスに行って、SHOBIは合計7回も参加しました。3回目の時に「この人に教えてもらいたい」と思える先生に出会えたことがSHOBIを選んだきっかけです。どの学校も施設はきれいなので、最終的に何で決めるかを考えたら、私は「人」だと思いました。オープンキャンパスで「オリジナル曲を持っている人は歌ってください」と言われたことにも驚きました。他の学校ではそんなこと1回も言われたことがなくて、求められるレベルが高い学校だと感じました。高校時代から曲を作っていたので、レベルは高い方が良いと思ったことも理由の1つです。
藤井:私も麗と似ています。ベースが学べるプロミュージシャン学科とジャズ・ポピュラー学科のオープンキャンパスに参加して、プロミュージシャン学科で当日すぐにセッションをすることもすごいと思いましたが、ジャズ・ポピュラー学科でいきなり「アドリブソロをやってみよう」と言われてレベルの高さを実感しました。アドリブなんてやったことなかったのですが優しく教えてもらえて、SHOBIに入学したらもっと上手になれそう、音楽への理解が高まりそう、と思って進学しました。
麗:あと、高校の先輩が進学していたので、はじめから他の学校よりもSHOBIとの距離感は少し近かったかも。ごんは高校の同級生で、部活も同じ軽音楽部の仲間だったんですけど、一緒の専門学校に行こう、と約束していた訳ではなかったよね。進路を聞いたら「一緒じゃん!」って感じで。
藤井:それが今ではチョーキューメイを一緒にやっているという。
--入学してから気づいたこの学校の良さなどがあれば教えてください。
麗:入学して感じたのは、真面目で熱心な子ばかりということ。音楽を始めたばかりの子もすごく頑張っていて、感動しました。
藤井:礼儀正しくて、熱意があって、良い人が多いよね。ジャズ・ポピュラー学科は少人数なので、クラス全員と話す機会が多くて自然に友達になりました。
麗:コロナ禍に入学したので、最初は学校に行っても誰とも話さずに帰ることもありましたが、アンサンブルの授業で同じ学科の他専攻の友達ができたことをきっかけに、卒業時には学科全員が友達って感じになって楽しかったです。ライブの機会が多いから、その時に他の学科の友達も増えました。みんな音楽が好きで学校に来ているから、高校とはまた違った友達ができるんじゃないかな。
藤井:愉快な仲間たちがたくさんいたよね。音楽好きには結構良いポイントかも。
麗:在学中にプロになって急に忙しくなったのですが、みんなすごく応援してくれて、本当に嬉しかったです。通学時間が長くて大変でしたけど、友達がいるから頑張れたところはあります。
--在学中の思い出は?
麗:通学時間が長かったので、家が近い子が羨ましかったです。ごんは私よりちょっと遠かったよね。
藤井:家が近いと学校でたくさん練習できていいなって羨ましかったです。通学が満員電車の時間帯で、よく頑張ってたなって思います。
麗:楽器を持っていると満員電車はきつかった。でも私は「この先生から学びたい」と思っていたので、学校選びを妥協したくなかったです。親に相談した時も、距離で妥協するくらいだったら、頑張ってでも通いたいって思える学校にしなさいって背中を押してもらえました。
藤井:私も学生寮を視野に入れてましたが、自分の足で通ったほうが価値があるんじゃないかと思って、電車通学をしていました。
麗:遠くても通う価値はあったし、その頑張りを思い出すと今でも元気が出ます。あの時あれだけ頑張れてたから大丈夫って。あと、放課後や試験終わりに学科の友達とずっとしゃべっていたことなど、何気ない学校生活がすごく楽しかったって思い出します。
藤井:学校生活では卒業できた時が一番嬉しかったです。チョーキューメイのツアーの日に試験があるなど、最後のほうは単位がちょっとあやしくて、学科の先生にたくさん相談させてもらいました。
麗:卒業できて本当に良かったよね。
ーーSHOBIに入っていちばん成長を感じたことは?
麗:私は自分の人間性かな。高校時代は音楽が好きすぎて、同じ部活で目標が低い人を認められなかったんですよ。なんでもっと上を目指さないの?みたいな。でもSHOBIでたくさんの人と一緒に音楽をするうちに、みんなそれぞれの夢を持っていて、目指すところが違って当たり前だということを、やっと心が理解したんです。目標の高い低いは重要じゃなくて、一緒に音楽を楽しんでる時間が重要なんですよね。音楽をやりたい人たちがたくさん集まっている環境だからこそ、気づけて成長できたと思います。
藤井:私は純粋に楽器の技術が大きく向上しました。時間さえあれば空きスタジオの予約リストを自分の名前で埋めつくす勢いで借りて、ひたすら練習していましたね。あと、ジャズ・ポピュラー学科は音楽理論も必修科目なので、徹底的に頭に叩き込まれました。今のバンド活動でも、すごく役に立っています。
麗:ごんは本当にうまくなった!チョーキューメイに誘って、初めてスタジオで弾いてもらった時にベースの音がすごく良くて「これがジャズ・ポピュラー学科の音か!」って思った。バンドのグルーヴが変わったよね。人間的な成長はなんかある?
藤井:「ベースになりたい」って思ったこととか…?
麗:ベースになりたい(笑)。人間を超えたね。
藤井:周りにはウッドベースしか弾かないって子や、スラップ奏法に目覚めた初心者の子、10時間ぶっ通しで練習する元自衛官の先輩みたいにいろんな人がいたんです。そんな中で「自分のベースってなんだろう」って考えるようになって、ベースになりたいと思うように…。四六時中楽器に向き合った結果、「自分のベースとはルート弾きだ」とたどり着いたことは、1つの成長かな。
麗:自分の音楽性や方向性も、周りがいるから気づけるよね。あと、音楽系以外でためになったと思うのは、映像制作の授業です。もともと映像には興味があり、1年生の時に先生に褒められて少し自信がつき、2年生の卒業制作の作品は小さな大会で観客賞をいただきました。授業の一環として作りましたが評価されて嬉しかったです。
藤井:ジャズ・ポピュラー学科は音楽漬けだったね。でも、ジャズだけじゃなくて、ラテン、バラード、ファンクなど、いろいろなジャンルの音楽を学べました。1年生は真面目にずっとジャズをやっていましたが、2年生からちょっと気分転換に別のジャンルをやってみて楽しかったです。
ーーこれから音楽の道を目指す人へのメッセージをお願いします。
麗:音楽事務所に所属する前はコンスタントに曲を作り、誰よりも早く録ってMVもきっちり出すことを頑張っていました。入学後に初めてMVを撮った時に、まずはたくさんカタチにすることが大事なのかなって気づいて、半年間で8曲ぐらい出していました。気合いが入ってましたね。締切がないと「明日やろう」と思ってだらけてしまいがちですが「今やらないとダメ」と常に思うようにしています。
藤井:私は誘われてチョーキューメイにいるのですが、ベースうまいねって言ってもらえ、たくさん練習してきてよかったなって嬉しかったです。1人だと限界があるので、練習内容は先生に相談していました。SHOBIでは、わからないことはとにかく先生に訊くと良いと思います。一流の先生方が丁寧に答えてくださるので、ためらう時間がもったいない。私も最初は恥ずかしがったりしていましたが、最終的には「俺の音を聴いてくれ」みたいな感じで質問しまくっていました。
麗:先生方をはじめ、授業、スタジオ、ライブの機会。環境という意味では、プロになるために必要なものはすべてSHOBIに揃っています。だからあとは自分次第。目の前のことからひとつずつ全力で頑張るだけです。ただ、どんなに好きなことでも人には向き・不向きがあるということは、音楽活動を通して思いました。音楽の道が狭き門って言われるのは、そういうことなのかも。でも、仮にプレイヤーが向いていなかったら、裏方に回ってもいいんじゃないかと思います。SHOBIには尚美学園大学への編入学の道もありますしね。いろいろな選択肢があって良いと思います。
藤井:後輩の中には先生と仲良くなってライブのお手伝いをして、スタジオや会場の人と繋がって仕事に結びつけている人もいました。プレイヤーだったり裏方のスタッフだったり、音楽のプロにはいろいろな仕事がありますが、自分が目指したい姿は必ず見つかる環境だと思います。
麗:音楽にまつわる仕事のことはほぼ全部学べるからね。SHOBIの恵まれた環境でベストをつくして、自分の夢を叶えてください。